「delicious」だけじゃ足りない?味覚を表す英語表現あれこれ
日本はしばしば「美食の国」と言われ、その食文化の豊かさは世界的にも注目されています。実際、ミシュランガイドでは、東京が19年連続で「世界最多の星付きレストランが集まる都市」となっています。 ※1
このような豊かな食文化のもとで暮らしていると、日常の中で食べ物や料理について語る機会は自然と多くなり、それに伴って味や料理を表す日本語の表現も非常に豊富です。「コクがある」「さっぱりしている」「まろやか」など、日本語では感覚的で細やかな言い回しがごく自然に使われています。
では、こうした表現を英語で伝えたいとき、どのような言葉を使えばよいのでしょうか。単に「delicious」と言うだけでは、日本語で表現できる細かなニュアンスまで伝えることはできません。
本記事では、日本語の豊かな味覚表現を手がかりにしながら、英語では味や食べ物をどのように表現するのかをご紹介します。
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味覚を表す英語表現

まずは、味の基本となる5種類の味、「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」を表す英語表現から見ていきましょう。
- 甘味
一般的な甘さを表す際に使われるのが「sweet」です。砂糖による強い甘みを強調したい場合は、「sugary」や 「high in sugar」のような表現が使われることもあります。
一方で、甘すぎてネガティブな印象を与える場合には、「syrupy」や「overly sweet」といった表現が用いられます。
- 塩味
塩味を表す基本的な英語表現は「salty」です。ただし、「salty」は文脈によっては「塩辛すぎる」というやや否定的なニュアンスを含むことがあります。そのため、料理を肯定的に表現したい場合には、「well-seasoned(味付けがちょうどよい)」や「lightly salted」といった言い回しが使われることもあります。
- 酸味
酸味を表す際に用いられるのは「sour」で、レモンや酢のようなはっきりとした酸味を指すことが多く、場合によってはネガティブな印象を持たれることもあります。
一方で、フルーツの爽やかな酸味を表現したい場合には、「tangy」や「citrusy」といった表現も使われます。
- 苦味
苦味は「bitter」で表されます。コーヒーやビール、ダークチョコレートなど、必ずしも悪い意味ではなく、大人の味わいとして肯定的に使われる場面も少なくありません。
ただし、苦味が強すぎる場合には、「too bitter」や「overpowering」といった表現で、その強さを補足することがあります。
- うま味
日本語の「うま味」は、そのまま「umami」として英語に取り入れられている点が特徴的で、「umami」は、肉や出汁、発酵食品などに含まれる、深みのある味わいを指します。
一方、英語では「savory」という表現もよく使われ、「甘くない」「旨味のある」といった広い意味で用いられます。「savory」は必ずしも日本語の「うま味」と完全に一致するわけではありませんが、料理の方向性を伝えるうえで便利な表現です。
基本の味覚に加えて、日本語では「甘酸っぱい」「甘辛い」「ほろ苦い」といった、複数の味が組み合わさった表現もよく使われます。英語でも、こうしたニュアンスは比較的シンプルに表現されます。
甘酸っぱいは、「sweet and sour」と表現するのが一般的です。料理名としても使われる表現で、日本語とほぼ同じ感覚で用いることができます。
甘辛いは、「sweet and spicy」や「sweet and savory」といった言い方が使われます。 唐辛子の辛さを強調したい場合は 「spicy」、醤油やタレのようなコクのある味わいを指す場合には 「savory」が選ばれることが多いです。
また、日本語でよく使われる「甘じょっぱい」は、英語では「sweet and salty」や「sweet and savory」と表現されます。キャラメルポップコーンやナッツ菓子など、甘さと塩味が同時に感じられる食品を説明する際によく用いられ、英語圏でもなじみのある味の組み合わせです。
ほろ苦いは、日本語特有のやわらかい表現ですが、英語では「slightly bitter」や「a hint of bitterness」のように、苦味の程度を補足することで近いニュアンスを伝えることができます。
味わいの印象を表す日本語と英語表現
日本語では、甘味や苦味といった単純な味覚だけでなく、「コクがある」「さっぱりしている」「まろやか」といった、味全体の印象を表す表現も頻繁に使われます。これらは便利な一方で、英語に直訳しづらいと感じることも多い表現です。
「コクがある」は、味に深みや厚みがあることを表す言葉で、英語では「rich」や「full-bodied」といった表現が近いです。「rich」はバターやクリームを使った料理だけでなく、スープやソースなどにも幅広く使われる一方、「full-bodied」はワインやコーヒーなど、飲み物の味わいを説明する際によく用いられます。
「さっぱりしている」は、油っこくなく、後味が軽い印象を与える表現です。英語では「light」や「refreshing」がよく使われ、特に「refreshing」は冷たい飲み物や酸味のある料理など、食後にすっきりとした印象を残すものに適した表現です。
「まろやか」は、日本語ならではの感覚的な言葉ですが、英語では「mild」や「smooth」と表現されることが多いです。「mild」は刺激が少なく、味がやさしいことを示し、「smooth」は舌触りや口当たりのなめらかさを含んだ表現として使われます。
このように、日本語の味に関する評価表現は、そのまま一語で置き換えるというよりも、「どの要素を伝えたいのか」を意識して英語表現を選ぶことが重要になります。
食感を表す英語表現

味と同じくらい重要なのが、食感や口当たりを表す表現です。英語では、味そのものよりも食感に焦点を当てた表現が使われる場面も多くあります。
「crispy」や「crunchy」は、どちらも「サクサク」「カリカリ」と訳されますが、「crispy」は軽く歯切れのよい食感、「crunchy」はより硬く、噛んだときの音を伴う食感を指す傾向があります。
「creamy」は、なめらかでコクのある口当たりを表す表現で、スープやデザート、ソースなどによく使われます。日本語でも「クリーミー」という表現は使われることが多いので、イメージしやすい表現です。
「chewy」 は「噛みごたえがある」という意味で、パンや肉、麺類などに用いられます。一方で、噛みにくさを強調したい場合には、ややネガティブな表現になることもあるため、文脈には注意が必要です。
このように、英語では味覚と食感を組み合わせて料理を説明することで、より具体的なイメージを伝えることができます。
まとめ
本記事では、日本語の豊かな味覚表現を手がかりにしながら、英語で味や料理を表す際に使われる表現を紹介してきました。
甘味や苦味といった基本的な味覚に加え、「甘酸っぱい」「コクがある」「さっぱりしている」といった日本語特有の感覚的な表現も、「どんな印象を伝えたいのか」を意識することで、英語でも十分にニュアンスを表現することができます。
英語の味覚表現を知ることで、語彙を増やすだけでなく、食について語る楽しさそのものを広げてくれるはずです。
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