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四国サイズの小国スロベニア-「双数」を持つ言語の魅力とは

四国サイズの小国スロベニア-「双数」を持つ言語の魅力とは

Dober dan! 知る人ぞ知る美しいヨーロッパの国、スロベニアとその言語をご紹介します。

 

目次 [非表示]

スロベニアの概要

スロベニア共和国は、1991年にユーゴスラヴィアから独立したまだ若い国で、アメリカ大統領(2026年9月現在)夫人のメラニア・トランプや、「悪魔のトリル」で有名な作曲家、タルティーニの出身地です。

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長靴型のイタリア半島の付け根の右(東)辺りにあり、イタリア、オーストリア、ハンガリー、クロアチアに接しており、北にはアルプス山脈があり、南は一部アドリア海に面しています。

ほぼ四国と同じぐらいの大きさ(2万273㎢)ながら、気候・地形の変化に富み、「アルプスの瞳」とよばれるブレッド湖やカルスト洞窟など、豊かな自然に恵まれています。

 

スロベニア語

公用語はスロベニア語ですが、この他、地方によってイタリア語とハンガリー語が公用語として認められています。

スロベニア語は、ロシア語、ブルガリア語、ポーランド語などと同じくスラブ語族のひとつで、南スラブ語族に属し、クロアチア語との共通点が多い言語です。

スロベニア語の話者人口は約200~240万人といわれています。近隣国のほか、移民や亡命者、その子孫などを含めると、正確な算定が難しく数字は流動的ですが、日本語の話者人口と比較しても少なく、名古屋市人口と同程度といえます(名古屋市人口:2025年6月現在約233万人)。

英語のtheのような定冠詞はないものの、単語の語形変化が多く、さらに8つの方言群があります。

文字

スラブ語族にはキリル文字とラテン文字の両方ありますが、スロベニア語はラテン文字で、ローマ字をベースとした25個の文字を使用します。英語と異なる文字は3つだけ(Č  ,č  、Š  ,š  、Ž  ,ž  )です。
※q、x、w、yは外国の人名や地名を表記する時にのみ使用されるため、上記のアルファベット数にはカウントしていません。

語形変化

品詞の中には語形変化をしないものもありますが(副詞、感嘆詞、接続詞)、名詞・形容詞・代名詞・数詞は、性・数・格によって語形が変化します。この中でもスロベニア語に特有なのは数で、英語にもある単数形・複数形以外に、「双数(両数)形」という概念があります。

-性 男性、女性、中性の3性があり、全ての名詞は原則としてどれかの性に属します。
男の人だから男性名詞、とは限らないため、例えばdekle「女の子」は中性名詞だったりします。
さらに男性名詞には人か動物を意味する活動体とそれ以外を意味する不活動体があります。
-数 単数・双数(両数)・複数の3つあります。
単数は1つまたは1人、双数は2つまたは2人、複数は3つまたは3人以上に対して使用します。
-格 主格、生格、与格、対格、前置格、造格の6つあります。
名詞が文の中で果たす役割を表し、およそ日本語の「が、の、に、を、で・に、で(=を用いて)」にあたります。
例えば、日本語では直接目的を示すためにはあらゆる名詞に「を」をつけられますが、スロベニア語では名詞のグループごとにつける語尾が異なります。

性・数・格の組み合わせは、3性×3数×6格で54通りに及び、日本語話者の感覚からは習得が大変そうですが、語形からある程度文脈が推測できることは、便利かもしれません。

動詞

他のスラブ語と同様、完了体と不完了体があり、動詞は原則としてどちらかの体をもちます(片方しかない場合もありますし、どちらとしても機能する両体動詞もあります)。
これは英語の完了形とは異なる概念で、

  • 完了体は、動作を瞬間においてとらえ、瞬間の動作、1回だけ起こる動作などを表すのに対し、

  • 不完了体は、動作を過程そのものにおいてとらえ、現在進行中の動作や継続する動作を表します。

 

まとめ

スロベニアとスロベニア語について、ほんの一部をご紹介しました。
文字がアルファベットのため、一見英語学習者には抵抗が少なそうですが、豊かな語形変化など、英語とは異なる点も多いです。日本語や英語にない概念を知ることは、簡単ではありませんが、新たな世界への第一歩になるかもしれません。

 

■参考サイト・参考文献

参考サイト

外務省
名古屋市ホームページ
ユーラシア旅行社
クラブツーリズム

参考文献

『スロヴェニア語文法』金指久美子、東京、株式会社三修社
2022年

『スロヴェニア語入門』金指久美子、東京、株式会社大学書林
平成13年(2001年)

『スラヴ諸民族語比較文法-新約聖書の”主の祈り”祈祷文を基本線にした比較文法-』吉川直、発行者:吉川直(大阪)
印刷所:淡路印刷
1999年

『スロベニア語基礎1500語』山崎佳代子編、東京、株式会社大学書林
昭和60年

 

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