翻訳・機械翻訳・ポストエディットなど翻訳に関連する情報を発信
catch-img

ビジネスパーソンのための中国語読解のコツ~その2~

前回の「ビジネスパーソンのための中国語読解のコツ」では、英語の読解スキルを元にした中国語読解のコツをお伝えしました。中国語に関する知識がなくても、英語と中国語の2言語間の共通部分を足がかりに中国語読解を行うというものでした。


中国語は、日本語と同じような漢字が使われているものもありますので、たとえ中国語を全くご存じない方でも、ある程度類推して読解できます。そのため、「日本語と同じ漢字なので、きっと同じ意味を持つのだろう」「さすがに数字の解釈は日本語と同じだろう」と考えがちですが、そこに落とし穴がひそんでいる場合があり、とんでもない勘違いをしてしまうことが往々にしてあります。


今回は、そのような誤解釈を防ぐため、中国語と英語(または日本語)を比較し、似ているように見えて異なる点についてお伝えしたいと思います。

​​​​​​​

(前回の記事はこちら: ビジネスパーソンのための中国語読解のコツ




目次[非表示]

  1. 1.中国語の外来語
  2. 2.英語が透けて見える中国語
  3. 3.不等号の違い
  4. 4.一体何倍なのか?
  5. 5.まとめ
  6. 6.KIのサービス

中国語の外来語

まずは、中国語と英語(または日本語)で似ている点として、外来語についてご紹介します。

外国語からの借用語である外来語は、日本ではカタカナが使われていますが、中国語では英語の発音に近い音の漢字を当てはめる場合(例:可乐(cola))と、英語を意訳した中国語が使われる場合(例:超市(supermarket))があります。


英語が透けて見える中国語


下に挙げた例は英語を意訳した中国語になります。各単語の意味を逐次訳したものになるため、もし簡体字の漢字が日本語の漢字に近ければ意味が類推しやすくなります。

中国語(簡体字)

日本語

英語

硬件

ハードウェア

Hardware

互联网

インターネット

Internet

输入

インプット

Input

上载

アップロード

Upload

蓝牙

Bluetooth

Bluetooth


この漢字の類似は繁体字と日本語を比較した場合の方がより顕著になります。下の例は台湾などで使われている繁体字で表したものになります。


中国語(台湾繁体字)

日本語

英語

硬件

ハードウェア

Hardware

互聯網

インターネット

Internet

輸入

インプット

Input

上載

アップロード

Upload

藍牙

Bluetooth

Bluetooth

日本人にとっては、繁体字の方が文字としてなじみやすい方も多いのではないでしょうか。


不等号の違い

ただし、中国語と日本語は似ているようにみえて異なる点が多く、一筋縄ではいかないものがたくさんあります。その一つが数を表す表現において使用される「以上」または「以下」です。


「以上」または「以下」は英語に翻訳する際、厳密さを要するため注意が必要ですが、中国語においても同様に注意が必要です。中国語では日本語と同じ漢字「以上」と「以下」が使用されていますが、意味が日本語とは異なります。中国語の「10以上」は日本語と同じように10を含むわけではありません。含むかどうかの解釈が不明瞭であるため、文脈から解釈できない場合は書き手に確認した方が安全といえます。

また日本語から中国語に翻訳する場合にも「10以上」ではなく、「10以上」「10以上(10)」のように「」や「」を追加し、正確に伝えなければ、日本語の意図が相手に伝わらない可能性があります。この場合、「及」は英語のand、「含」は英語のincludingに相当します。



中国語(簡体字)

日本語

以上

日本語の「以上」と一致しない

以下

日本語の「以下」と一致しない

 

また不等号記号にした場合も要注意です。

日本語では一般的にはと大なり記号の下の線が二本線で表されます。英語ではとなり、下の線が一本線であることはご存じである方が多いと思いますが、中国語はこの一本線が斜めになっています。≦も同様です。

意味は同じですが、表記が異なります。


中国語(簡体字)

日本語                                   


一体何倍なのか?

また、中国語において、倍数の解釈も要注意です。英語では、ご存じのように倍はonceやtwice、doubleやtriple、timesなどの倍数詞で表されますが、中国語では、日本語と同じ「」という漢字と数字を使って表されます。しかし、前後の言葉によっては数字の解釈が変わります。内容を読み間違えないように細心の注意を払う必要があります。



下の表の場合、①は日本語では「3分の1減少」(減少分が3分の1)となり、日本語でも英語でも、中国語と同じ数字が用いられています。減少分の数字がそのまま用いられている形です。

しかし、②では、中国語では「3倍」ですが、日本語と英語では「4倍になる」(増加分が3倍分で合計で4倍になった)という意味になります。


  

中国語(簡体字)   

英語

减少三分之一的…

Cut … by one-third

增加了三倍

increased 4 times


「增加了三倍」とあるので、日本語での文字通り、「3倍に増加した」と考えると数値の解釈が大きく変わってしまいますので、「倍」という漢字がでてきたときには「日本語どおり解釈できないかもしれない」とご注意いただければと思います。



まとめ

以上のように、中国語を日本語または英語と同じ感覚で解釈できそうだと考え早合点して解釈すると大きな間違いが生じる可能性があることがあります。

機械翻訳にかけ、大意がつかめたと思ったとしても、細かいところをみるとエラーが発生している可能性があります。特に数字の解釈については、意味に大きな違いが生まれますので、正確な意味をとらえたい場合は、機械翻訳の後に翻訳会社にポストエディットをしてもらうか、または最初からプロの翻訳者の手で翻訳してもらうことをおすすめします。


KIのサービス

川村インターナショナルは、香港拠点の現地法人、ヨーロッパ拠点の関係会社を持ち、現地のローカリゼーションベンダーとの強い協力関係を築きあげています。対応言語は40言語以上に上り、すべての言語においてプロフェッショナルによる翻訳を提供しています。

多言語展開でお悩みの方は、ぜひお問い合わせフォームよりご相談ください。

​​​​

関連記事

KIマーケティングチーム

KIマーケティングチーム

川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

機械翻訳をいかに活用するか(ホワイトペーパー)

本資料は、機械翻訳(MT)導入を比較ご検討の際思い浮かべる疑問を解消し、活用のニーズ、「ポストエディット」「用語集」などのキーワードについても解説いたします。(全62ページ)

資料の構成は以下のようになっております。

第一章   はじめに
第二章   機械翻訳(MT)活用のニーズ
第三章   機械翻訳(MT)と(HT)の違い
第四章   機械翻訳と関連技術
第五章   MT導入時に知っておくべき6つのポイント
最後に

など

競合他社様および個人翻訳者の方々からの資料請求はお断りすることがございます。あらかじめご了承の程をよろしくお願い申し上げます。

この記事がお役に立ったらシェアをお願いします!


人気記事ランキング

タグ

アーカイブ