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機械翻訳VS人手翻訳②

さて、少し期間が空いてしまいましたが今回は「機械翻訳VS人手翻訳②」と題して、前回お話が出来なかった部分について触れていきたいと思います。


【前回の記事に関する補足】


本題に入る前に簡単に振り返ると、前回の記事では翻訳者の仕事はなくならないだろうという結論を3つの視点から述べ、最後に翻訳者の未来は安泰なのか?という点についてまとめました。その中で「近い未来我々の想像を絶するとんでもなく高性能な機械翻訳が登場しないとも言い切れません。」と翻訳者の皆様を不安にさせるような記述をしましたが、これに関して補足をさせていただきます・・・。

翻訳者の皆様・・・上記で触れたような高性能な機械翻訳ですが・・・・・・・・・・・安心してください!!出ていませんよ!あくまでも執筆時である2020年1月現在の情報ですと補足はさせていただくものの、人手翻訳の需要は今後も十分にあると言っても過言ではないでしょう。ただ語弊がないように書き添えると、記事公開時点において革新的な機械翻訳が出ていないとは言い切れず、翻訳者の皆様にはそれほどまでに機械翻訳の技術というものは日進月歩であるという事はご理解いただければ幸いです。


前置きが長くなりました(もはやお約束!?)が、「機械翻訳VS人手翻訳②」として、今回はそれぞれの「利用シーン」に関する見解、また激動の翻訳時代を駆け抜ける鍵を述べた上でこのテーマを終えたいと思います。

目次[非表示]

  1. 1.機械翻訳と人手翻訳の利用シーンとは?
    1. 1.1.【機械翻訳の利用シーン】
    2. 1.2.【人手翻訳の利用シーン】
  2. 2.最後に:激動の翻訳時代を駆け抜ける鍵
  3. 3.川村インターナショナルの翻訳サービス

機械翻訳と人手翻訳の利用シーンとは?

近年、機械翻訳の需要が広がってきていると言われていますが、実際にどのようなシーンで利用されることが多いのでしょうか?ここでは利用シーンという観点から機械翻訳と人手翻訳のニーズの違いを探っていきましょう。

【機械翻訳の利用シーン】

まず、機械翻訳の利用シーンとしては情報共有や内容把握を目的とした資料等、翻訳の品質要求が高くない資料、いわゆる参考用と位置づけられる資料に活用されるケースが非常に多くなっています。


<例>

・メール

・社内向け各種資料(規程類、マニュアル等)

・仕様書

・ガイドライン

・法務関連資料


これだけを見ると、機械翻訳は参考用資料の翻訳をメインに利用されるものだという印象を与えてしまうかもしれませんが、当然ながら別の用途にも使われます。

例えば、機械翻訳を下訳として活用して、その出力結果に対してポストエディット(エディットレベルの高いもの)を施し、人手翻訳同等のレベルまで引き上げるといった使い方をするケースもあります。

また、一部の企業においては、社外向け資料である各種マニュアル(ユーザーマニュアルやサービスマニュアル等)やIR関連資料にも機械翻訳を活用していこうとする動きも見られます。機械翻訳の精度の向上と共にその使用用途はは今後も広がりを増していくことでしょう。

機械翻訳が今後様々な可能性をもっていることはもはや疑いようがありません。とは言え機械翻訳に過度な期待をするのは禁物であり、やはり機械翻訳特有のエラーが生じることを考えると、ポストエディット等まだまだ人手を介す必要性があることは補足しておきます。



【人手翻訳の利用シーン】

一方、人手翻訳の利用シーンとしては機械翻訳とは対照的に企業イメージに直結するような社外向け資料等、翻訳の品質要求が高い資料であり、企業が正式または公式に外部に発信する資料を対象とするケースが多いのが現状です。


<例>

・コーポレート関連資料(会社案内、各種カタログ等)

・ホームページ

・プレスリリース

・レター

・マーケティング関連資料


上記を含む文書は会社のイメージに直結する為、文脈はもちろん適切な用語やトーンを適宜使い分けて翻訳したり、読み手を考慮したものに仕上げる必要があり、機械翻訳が最も苦手とするところと言えます。そのギャップが人手翻訳のニーズに繋がるわけですね。

もちろんその他の資料、例えば「機械翻訳の利用シーン」で触れた各種マニュアルやIR関連資料を例に挙げると、これらの資料も読み手を考慮して人手翻訳で対応したいという企業もまだまだ多く、そういった企業側の方針や意向といったものが人手翻訳のニーズに繋がっているのも実情と言えるでしょう。


まとめると、機械翻訳向きの資料や人手翻訳向きの資料というものはザックリとした線引きはあるものの、この文書は機械!この文書は人手!といった明確な線引きやルールはなく、各々の企業の方針に大きく依存すると言えます。このギャップがなくならない限りは人手翻訳のニーズというものは常に存在し、当然翻訳者の需要もなくならないと考えられます。更に言うと、現状はこのギャップを埋められるような段階にきているとは言い難く、そこに到達するにはまだまだ時間がかかりそうなことを勘案すると、翻訳者の仕事はなくならないと言い切っても違和感がないのではないでしょうか?

最後に:激動の翻訳時代を駆け抜ける鍵

機械翻訳の精度が上がっている今日、機械翻訳に勝るレベルの翻訳力や専門性を持つということ、言い換えれば自分にしかない「+α」の価値を身に付けることが激動の翻訳時代を駆け抜ける鍵となり得えます。

その「+α」は必ずしも翻訳力に直結する必要はありません。例えば、IT系の知識・能力を駆使してヒューマンエラー防止を徹底する、複数のCATツールを使いこなすなど、作業の効率化に徹底することも一つの価値になるでしょう。極論を言ってしまえば、市場のニーズにマッチするのであればジャンル問わずなんでもありだと思います。



さて、長くなってしまいましたが、主なポイントをおさらいしたところで、本テーマを締めたいと思います

  • 機械翻訳の精度は向上しており、今後様々な用途で使用される可能性がある。ただし、機械翻訳特有のエラーが発生することを考えると、まだまだ人手を介する必要がある
  • 企業イメージに直結する文書や読み手を考慮した資料などにおいては、人手翻訳の需要が高い。
  • 機械翻訳と人手翻訳の使用に明確な線引きはなく、資料の目的は何か、読み手は誰か、といった各々の企業の方針に大きく左右される。
  • 機械翻訳の精度が向上している今日、「+α」の価値を身につけることが、激動の翻訳時代を駆け抜ける鍵となり得る。



川村インターナショナルの翻訳サービス

機械翻訳を最大限に活かして翻訳を行う「ポストエディット(PE)」による翻訳サービスの需要が高まっています。ポストエディット (Post Editing) とは、スピードとコスト重視の機械翻訳だけでは品質が不十分なケースで、人手による後編集を適用して、お客様が求める翻訳に仕上げるサービスです。すべてのコンテンツ、文書に対してポストエディットが適しているわけではありませんが、ローカリゼーションを中心にマーケティング翻訳、マスメディア翻訳などはポストエディットに向いている文書と言えます。また機械翻訳エンジンの進化、変化に伴い、ポストエディターに求められる能力も徐々に変わってきています。今後も機械翻訳とポストエディットの動向に目が離せません。

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川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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