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広告翻訳と字幕翻訳

広告翻訳と字幕翻訳

文書の翻訳と同じように、字幕翻訳も映像作品向けのみならず、様々な目的の下に制作されます。例えば、最近では、企業や組織によるプロモーションやマーケティングなどを目的とした、字幕翻訳付きの映像を見ることも多くなりました。このようなものは、字幕翻訳であり、広告翻訳でもあります。今回は、この広告翻訳と字幕翻訳の特徴と、それらが合わさった場合の必要な要素について書いていきます。  

目次[非表示]

  1. 1.広告翻訳
  2. 2.字幕翻訳
  3. 3.広告翻訳の字幕翻訳に必要な3要素
    1. 3.1.テクスト内の異なる要素の分析
    2. 3.2.ローカライズ(特定の地域に適用できるように変更すること)
    3. 3.3.視聴覚的要素との関連付け
  4. 4.まとめ
  5. 5.参考
  6. 6.川村インターナショナルの動画翻訳サービス

広告翻訳

広告翻訳とは、冒頭で述べたプロモーションやマーケティングなどを目的とした映像のほか、広告資料、ラジオCM音声など、その媒体は多岐にわたります。「効力型テクスト」とも分類され、受け手への訴えや、その後の望ましい反応(購買行動など)など、特徴的な目的があります。そのため、原文言語への「忠実さ」だけではなく、「適切性」のほうに重きがおかれることもしばしばです。それだけでなく、広告の受け手に興味を抱かせるような表現力も重要になります。それゆえ、必要となる翻訳作業には、訳文言語圏により合わせた「ローカライゼーション」や「リライト」といった要素を含みます。 


字幕翻訳

字幕翻訳も、一般的な文書翻訳と大きく異なる特徴的な翻訳です。例えば、1秒につき4文字という、文字数制限があることが挙げられます。さらに、音声と映像などの情報と矛盾を発生させないように、考慮して訳出しなければなりません。そのため、字幕翻訳では、発話の全体的なコミュニケーション上の意図を汲み取り、訳出することが求められます。字幕翻訳作業では、例えば、反復・追加・省略・変形・代用などの手法を用いて、このような制約や特徴に対応します。しかし、ビジネス用の字幕翻訳では、製品名やサービス名など、省略できない固有名詞が出てくることも多くあります。そのため、弊社では、場合や用途、お客様のご希望に応じて、文字数については読みやすさを考慮しながら調整しています。


広告翻訳の字幕翻訳に必要な3要素

このような広告翻訳の字幕翻訳へのアプローチでは、次の3つの点が重視される傾向にあります。それは、言語だけでなく、映像、音楽、色彩などが複合的に合わさったマルチモード的アプローチが必要だからです。

テクスト内の異なる要素の分析

言語記号だけではなく、環境記号など様々な要素を分析することです。環境記号とは、例えば、読み手を意識した他のテクストとの位置関係などのことです。他にも、音楽や背景の雑音などが含まれる非言語記号などもあります。


ローカライズ(特定の地域に適用できるように変更すること)

例えば、ゲーム「ポケットモンスター」では、日本語版と英語版でキャラクターの名前が異なります*。これは、各地域に合わせて、キャラクターが親しまれるように工夫がされているためです。翻訳会社への依頼時には、定訳があれば事前にお伝えいただくと、ご希望のローカライゼーション対応をスムーズに行うことができます。

*参考:ポケモン英語語源辞典 (pokemon-english-dictionary.com)


視聴覚的要素との関連付け

音声や映像と合わせた訳出が必要であるということです。前述しました、反復・追加・省略・変形・代用などの翻訳手法の選択にも関わってきます。状況によって、原文に忠実に翻訳しすぎず、臨機応変な対応が求められます。
 
これらの3つの要素は、なかなか機械翻訳のみでは満たすことのできない、かなりクリエイティブな要素かと思います。翻訳の知識のみならず、マーケティングの知識も重要となるため、翻訳の際には注意が必要です。


まとめ

本記事では、広告翻訳と字幕翻訳の特徴とその複合体である広告翻訳の字幕翻訳について、簡単に説明しました。本記事で述べた3つの要素は、企業や組織が多く発信しているプロモーションやマーケティングの、どのような動画翻訳の制作においても、共通する重要なポイントです。このポイントをしっかりと押さえた翻訳物を制作するためには、翻訳前の動画や文章の品質も非常に重要です。特に、広告翻訳の特徴的な目的である、「受け手への働きかけを行う」ことは、翻訳前の段階でも同じように重要とされることでしょう。


参考

ジェレミー・マンデイ(2021). 鳥飼玖美子監訳『翻訳学入門』[第9版]みすず書房
モナ・ベイカー, ガブリエラ・サルダーニャ(2013). 藤濤文子監修・編訳『翻訳研究のキーワード』[初版]研究社


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