
ヒンディー語とは?―ビジネスチャンスを生み出す言語
世界で話者数が最も多い言語のひとつである「ヒンディー語」。人口世界一となったインドの公用語の1つとして、翻訳の需要が高まっている言語です。
今回はヒンディー語の基礎知識と翻訳時の注意点に加えて、インドのカレーと食事情についてご紹介します。
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ヒンディー語の基本情報と翻訳時に気を付けること
ヒンディー語(Hindi)は、インドの連邦公用語の一つであり、母語、もしくは第二言語としてのヒンディー語話者は世界中で約6億人以上にのぼります。話者数で言えば中国語(普通話)や英語に次ぐ規模です。
とはいえ、インドに仕向けた多言語化はヒンディー語だけでカバーできるわけではありません。インドにはヒンディー語を含めた22の憲法認定言語があり、地域によって話される言語が異なります。
ヒンディー語は北部と中部(オレンジ色で表示)を中心に使用されていますが、東部、南部はそれぞれの州の公用語が主に使用されています。首都デリーはヒンディー語圏ですが、第二の都市・ムンバイはマラーティー語、ITで有名なバンガロールはカンナダ語など、大きな都市でも公用語が異なります。それぞれの言語はヒンディー語と相互理解が可能な言語もあれば、語族も異なりコミュニケーションが難しい言語もありますので、インドに仕向けた多言語化を行う場合はどの地域を目標とするのかを検討する必要があります。
※詳しくはこちら(インドの驚きにあふれた言語事情)
ヒンディー語の文字・文法
ヒンディー語は言語分類上インド・ヨーロッパ語族インド・イラン語派に属し、南アジアから中東に至る地域で使用されてきた言語の1つです。文字は「デーヴァナーガリー(Devanagari)文字」が使われており、上部の横線でつながっているのが特徴です。皆さんも見覚えがあるのではないでしょうか。
※デーヴァナーガリー文字の表記例。「ヒンディー」と書かれている。
ヒンディー語はSOV型(主語・目的語・動詞)で、日本語と基本的な語順が同じです。
例文:मैं(私は) रोज(毎日) किताब(本を) पढ़ता हूँ (読みます)
आप(あなたは) क्या(何を) पढ़ते हैं(読んでいますか) ?
後置詞を持つ、形容詞を名詞に前置するなど、文法的な共通点も多く、日本語話者にとっては学びやすい言語と言えるかもしれません。
※後置詞:英語やフランス語などのように,名詞の前に置かれるものを前置詞,日本語の助詞のように,名詞の後に置かれるものを後置詞という
しかし、ヒンディー語には男性名詞、女性名詞があり、動詞も文中の主語の性別に合わせて活用が変わるというのも大きな特徴の一つです。
ヒンディー語でカレーは何という? インドの食事情
インドといえばカレーですが、ヒンディー語には「カレー」を意味する言葉はありません。
日本人はカレーを「とんかつ」や「ハンバーグ」のような料理の一品としてとらえていますが、インド人はカレーをいわば「炒め物」のように料理の概念としてとらえています。
日本料理を食べた外国の方が日本料理はすべて醤油で味付けされていると感じるように、インド料理はほぼすべてマサラ、スパイスを使って調理されているため、インド人の方以外にするとカレー味のものを毎日食べていると感じられるというわけです。
そのため○○カレーという料理名ではなく、食材を羅列しただけの料理名が多くを占めています。
では、食材で構成された料理名の例を見ていきましょう。
料理名 | 意味 | 料理の内容 |
パラックパニール पालक पनीर | パラック(ほうれん草) パニール(カッテージチーズ) | ほうれん草とチーズのカレー |
アルーゴビ आलू गोभी | アルー(ジャガイモ) ゴビ(カリフラワー) | ジャガイモとカリフラワーのスパイス炒め |
ムルグマカニ मुर्ग़ मक्खनी | ムルグ(鶏肉) マカニ(バター) | バターチキンカレー |
キーママタール कीमा मटर | キーマ(ひき肉) マタール(グリーンピース) | ひき肉とグリーピースのカレー |
料理名だけでは日本のカレーのように汁気のある煮込みのような状態なのか、炒め物のような状態なのかがわからないことも多いです。
またインドには宗教上の理由でベジタリアンの人も多く存在するため、メニューもベジタリアン向けとそうでない人向けに分かれているのも特徴です。
レストランでのメニューや食品には必ず、上記のベジ/ノンベジのマークが表示されています。
ベジはもちろん動物性由来の成分を含まない食べ物、ノンベジは魚、肉、卵といった動物性由来の成分を含む食べ物を表します。
ヒンディー教を信仰する人は基本的にベジタリアンですが、イスラム教やキリスト教、ジャイナ教など様々な宗教を信仰する人が一緒に暮らすインドらしいルールと言えるでしょう。
ヒンディー語が使える機械翻訳システム
※2025年8月現在
みんなの自動翻訳@KI(商用版)
Google Translate
Microsoft Transrate
まとめ
ヒンディー語は、インドという巨大で多様な国を理解するための鍵ともいえる言語です。インドの経済的な成長に伴い、ヒンディー語の翻訳需要は年を追うごとに増加してきています。当社ではヒンディー語はもちろん、ヒンディー語以外のインドの多言語にも対応が可能です。
インドでの多言語化をご検討の方はぜひ一度お問い合わせください。
参考
ヒンディー語 | Wikipedia
インドの主な言語地図|IndoJapanPulse
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