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スウェーデンの自然と文化について

Det finns inte dåligt väder, bara dåliga kläder(天気が悪いのではなく、服が悪い)。
スウェーデンでよく使われることわざです。国土の6割以上が森林、1割近くが湖という自然が豊かなスウェーデンでは、その恵みを楽しむべく、悪天候でもお構いなしに出かけます。不都合なのは天気ではなく、服なのです。

今回の記事ではそんなスウェーデンの文化と自然について、スウェーデン人の筆者が紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.極寒の地…ではない?
  2. 2.スウェーデンにおける四季の楽しみ方
  3. 3.可愛い子には旅をさせよ
  4. 4.まとめ
  5. 5.川村インターナショナルの翻訳サービス

極寒の地…ではない?

スウェーデンの文化と自然の関係を理解するには、季節について知る必要があると思いますので、季節をもとに説明していきます。
最初に質問ですが、スウェーデンは一年中寒いというイメージはありませんか?私自身、「スウェーデン人です」というと、「あの寒い国の~」とよく返されます。冬は確かに寒いですが、実は北海道と似た場所で四季があって、夏も暑いです。

ただ、北海道と違うのは、夏の白夜と冬の日照時間の短さです。特に冬は日の出が8時、日の入りが16時で、それ以外の時間帯は、数多くのスウェーデン人がビタミンD不足でうつ病(SAD:Seasonal Affective Disorder(季節性感情障害))を発症するほど真っ暗になります。


スウェーデンにおける四季の楽しみ方

Snölykta (Snow lantern) :Mrs. Gemstone、CC BY-SA 2.0[SM1] 

スウェーデンの冬は寒くて暗い、などと辛そうなことを書きましたが、楽しめる部分ももちろんあります。常に暖かいインドアで楽しむDIYやクリスマスといったイベントもありますが、冬こそ「天気が悪いのではなく、服が悪い」のであって、オーバーオールを着て外で遊ぶ人も多いです。

例えば雪だるまやsnölykta(雪のランタン)を作ったり、凍った湖での散歩やスキー、アイススケートなど、外でできることもたくさんあります。

 Påskris dekorerat med ägg i olika färger:Bernt FranssonCC BY-SA 4.0
 (色とりどりのイースターエッグで飾られたイースターの飾りポスクリース)

冬が長くて暗い分、スウェーデン人は春~秋を深く愛します。寒が明けて太陽が出ると、スウェーデン人は寒くても薄着(Tシャツの人も)で外に出て、日光浴をするほどです。
春は様々な花が咲くので、家に白樺の枝を飾ってイースターを楽しみ、バルコニーや庭のガーデニング作業も開始します(スウェーデンで家の中に緑がないお家を見たことがありません)。

スウェーデンの夏至祭り(midsommar)の様子

夏になると、湖で泳いだり、バーベキューやピクニックをしたりすることがほぼ日常になります。
そんな夏は、降水量が非常に多い年があります。そこで夏を愛するスウェーデン人は何をするかというと、インドアを楽しむ人もいれば、「濡れてもいい」服で外に居続ける人もいます。

IMG_0455:Eirik Solheim、CC BY-SA 2.0
スウェーデンのきのこ狩りで人気を誇るきのこの一つ:trattkantarell(ミキイロウスタケ)

夏から秋にかけては森に出向くことも多いです。以前の記事でも書かれていますが、スウェーデンの自然享受権のおかげで、スウェーデン人は自由に森に入って、森林浴にとどまらず、きのこやベリー(ブルーベリー、コケモモ)狩りも楽しむことができます。家庭ごとに恒例のきのこ狩りスポットもあったりします。


可愛い子には旅をさせよ

今まで書いてきた内容からも伝わっているかもしれませんが、スウェーデンには季節を問わず自然を愛しんで共存する文化があります。この文化は遅くても保育園に入る頃から誰もが経験するものです。保育園の庭で遊ぶこともあれば、近くの森に出かけて遊んだ後ピクニックをして、森で拾ったどんぐりや松ぼっくりでおもちゃを作ったりもします。

同時に、自然享受権と自然を大切にする方法も学びます。環境に慣れさせるために冬でも子どもの昼寝を外で行う保育園もあります。また、小学校~中学校と進学するにつれて、自然に関する教育が高レベルになっていきます。

小学校あたりからは、「sommarkollo」(夏キャンプ)という、市などが運営している子ども用キャンプにも参加ができます。私は馬乗りキャンプ、テント泊キャンプと魚釣りキャンプに参加したのを今でも覚えています。キャンプというぐらいなので、やはり自然について学ぶ機会にもなります。

自然と直接触れ合う以外にも、民話や絵本などでも自然について学びます。スウェーデンだけでなくヨーロッパ全体で似たような民話もたくさんあり、その一つの例は水場の恐ろしさを教える「Näcken」(ナッケン)です。ナッケンは川や湖の近くに住まう妖精で、それが住まう川に近づくとナッケンが弾くバイオリンに誘惑され溺れさせられます。

他に森に住む「Troll」(トロール)の妖精もいますが、こちらは聞いたことがあるのではないでしょうか。

John Bauer、『Prinsessan och trollen』 (姫とトロール、1913年)より

トロールはお土産にもなるほどスウェーデンでは人気で、地域によって姿が異なります。私が育ったストックホルムでは、トロールは外見が人間に似ていて、森の洞窟や岩の下に住み、住処にたくさんの財宝を隠していると教えられました。

性格としては女性をさらうトロールもいれば、かわいいいたずらをするトロールもいるということでした。なんとなく、森の恐ろしさを教えてくれるのではないでしょうか。


まとめ

「天気が悪いのではなく、服が悪い」-スウェーデンの自然とアウトドア文化について紹介してきましたが、スウェーデンの自然を楽しみたいという気持ちが少しでも湧いたなら幸いです。

最近では日本の「森林浴」という言葉がそのままスウェーデンでも使われ始めています。森林浴とは、森林に入り、自然の息吹や静寂を感じることで心身のリフレッシュを図ることですが、それがスウェーデンのアウトドア文化とマッチしたようですね。森林浴の構想が広まるにつれて、心身の健康を大切にする文化の深化も期待できそうです。

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