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memoQの[訳語検索]機能について

翻訳作業には欠かすことのできないCATツール(翻訳支援ツール)の一つに、memoQがあります。memoQは、その操作性の高さと機能の豊富さでよく使われているツールです。

川村インターナショナルで翻訳のプロジェクトマネージメントを行っている筆者ですが、翻訳チェック時にmemoQを使用する機会があります。

翻訳のチェック作業をしていると、この用語に対してこの訳語を使用して良いのだろうか、過去の案件ではどのような訳語を使用していたのだろうか、この訳語とこの訳語は今までどう使い分けていたのだろうか...などとさまざまな迷いや疑問が生じます。既出の用語を検索する必要に迫られる場面が多々ありますが、そうは言っても膨大なデータの中から特定の用語に対する訳語を探し出すのは膨大な時間と労力が必要です。

そこで本記事では、上記のような場面で使用すると、翻訳チェックの効率をアップさせることができるmemoQの[訳語検索]機能についてご紹介します。

※本ブログではmemoQバージョン9.14を使用しています。

目次[非表示]

  1. 1.[訳語検索]機能
  2. 2.[訳語検索]機能の開き方
  3. 3.[訳語検索]機能の使い方
  4. 4.[訳語検索]機能の見方
  5. 5.まとめ
  6. 6.川村インターナショナルの翻訳サービス

[訳語検索]機能

[訳語検索]機能は、特定の用語をプロジェクトの用語集の中から検索することができる機能です。
この機能を使うと次のようなメリットがあります。

  • 特定の用語をプロジェクトや編集中の文書内で検索できるため、既出の用語と表現の一貫性を保つことができ、翻訳時や翻訳チェック時のヒントになる
  • いつどのプロジェクトで誰が編集した用語かなど、用語に関連する情報も同時に得られるため、どちらの用語を使用するか迷った際の使用優先度の判断材料になる

エディター画面を開いた状態で、ソース(原語)やターゲット(訳語)で用語検索を行うことができるため、プロジェクト内での用語の表記ゆれを防ぎながら効率的に作業することができます。

[訳語検索]機能の開き方

[訳語検索]機能の開き方には2通りの方法があります。

1つ目の方法:

[プロジェクトホーム]画面から作業対象のプロジェクト名をクリックします。
リボンの[翻訳]タブ > [訳語検索] > [▼]ボタンをクリックします。
[訳語選択]をクリックすると、[訳語検索]ダイアログが開きます。

2つ目の方法:

エディター画面上で右クリック > [訳語検索...]をクリックすると、[訳語検索]ダイアログが開きます。

[訳語検索]機能の使い方

[検索対象]に検索したい用語を入力します。
その際、検索対象は[ソース]または[ターゲット]のどちらにあたるかを、入力欄下のラジオボタンから選択します。チェックボックスでは、以下のような設定ができます。

[選択したテキストを引用符で囲む]
入力したテキストと同じ表現のみ検索対象に含めます。少し異なる表現も検索する場合はチェックを外します。
[選択したテキストを引用符で囲む]
複数パターンの文字列を含む表現を検索対象に含めます。完全に一致する単語を含む表現のみ検索する場合はチェックを外します。
[大文字小文字を区別]
固有名詞を検索できます。
[異なる数字も検索する]
異なる数字を含む表現を検索対象に含めます。同じ数字を含む表現のみ検索する場合はチェックを外します。
[Auto-detect source/target]
ソースまたはターゲットのどちらの語句を検索しているかを自動的に検出し、デフォルトの設定で訳語検索を行います。
[翻訳を推測]
入力した用語の訳文であると推測される部分を緑色でハイライト表示します。訳文である可能性が高いほど濃い色で表示されます。

また、検索時間を短縮したい場合は、[制限]スピンボックスで、memoQで検索する最大ヒット数を指定することもできます。数値を低く設定しておくと結果の表示速度が速くなります。
このように検索対象を入力し、オプションを設定して[訳語検索]をクリックすると、プロジェクト内の用語集に対して用語検索が実行されます。

[訳語検索]機能の見方

検索結果の表示形式は[3列表示]または[ソース+ターゲット]のいずれかを選択できます。今回はデフォルトの設定である[ソース+ターゲット]で結果を表示する場合について解説します。

検索結果が[ソース]カラム、[ターゲット]カラム、[メタ情報]カラムの3つの情報に分かれて表示されます。[ソース]カラムと[ターゲット]カラムには、各用語が用語集に登録されている形でそれぞれ表示されます。検索した用語に当たる部分はオレンジ色でハイライト表示されます。

[メタ情報]カラムには、各用語が使用されているプロジェクト名、更新日時、編集者の名前、文書名が表示されます。これにより、どちらの用語を使用すべきか迷った際に、使用する用語の優先順位をつける際の判断材料にすることができます。

最終的に、ここで検索、確認した用語をエディター上で挿入したい場合は、ダイアログ最下部にある[選択した訳を挿入]ボタンをクリックします。

まとめ

今回は、知ってから翻訳チェック作業の効率が格段にアップした機能の一つである、[訳語検索]機能についてご紹介しました。このほかにも便利な機能が多く搭載されているmemoQですが、機能が多種多様なあまり、筆者も知らない機能がまだまだ存在します。

使えば使うほど奥の深いCATツールであるmemoQですが、この記事で紹介した機能が少しでもお役に立てば幸いです。

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