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英訳するときのポストエディットのコツ

ポストエディットのコツとは?英訳する際に気を付けたいこと

「機械翻訳」といえば一般的に「Google(Google翻訳)」のイメージが強かったのですが、ここ数年で変わってきていると感じます。筆者はこれまでは翻訳に関わっていない方と話す際、機械翻訳エンジンが話題に上ることはまずありませんでした。しかし最近、特にパンデミック以降はDeepLの名前をよく耳にするようになりました。やはりリモートで働く方が増え、必然的にDX化が進んでいるのかもしれません。


機械翻訳エンジンの種類が増え、各社で精度を競い合っているため、10年前と比べると品質が飛躍的に向上しています。とはいえ、やはり文書の内容によっては、まだまだ手を加える必要があると感じます。翻訳を業務として担当していない方でも、機械翻訳をした後に何かしら編集(手直し)をしたことがあると思いますが、その編集作業を翻訳業界では「ポストエディット」と呼んでいます。文字通り、機械翻訳の訳出結果を後から編集することです。


今回の記事では、日本語から英語に機械翻訳した際のポストエディットについて取り上げたいと思います。翻訳業務を担当している方や海外の企業と英語でやりとりしている方、その他どのような立場の方でも、ちょっとしたコツを押さえることでポストエディットの効率化が図れると思います。少しでも早く英訳を仕上げるためにぜひ試してみていただきたい点をご説明します!

目次[非表示]

  1. 1.タイトルは後回しにする
  2. 2.潔く分割する
  3. 3.接続詞を変えてしまう
  4. 4.日本語に含まれる記号を書き換えておく
  5. 5.まとめ
  6. 6.川村インターナショナルの翻訳サービス

タイトルは後回しにする

英訳する対象はいろいろあるかと思います。プレゼン資料だったり、メール文面だったり、いま読んでいるようなブログ記事もあるかもしれません。どのような文書でもタイトル(件名)が最初に来ますが、この英訳が一番難しいと言っても過言ではありません。日本語と英語ではタイトルの付け方が少し違うからです。英語だとシンプルかつ具体的なほうが好まれます。

例として、弊社のブログを見てみましょう。

例:


日本語のタイトルを見て、日本人なら何となく内容が想像できると思いますが、英語にすると回りくどいと思われてしまいます。そのため、内容を要約したタイトルのほうが良いです。つまり、タイトルをそのまま翻訳しても分かりづらいため、機械翻訳をポストエディットするよりも文書の中身に基づいて自分で考えたほうが効果的です。ただ、最後に対応したほうが圧倒的に簡単ですので、後回しにしましょう。一部だけポストエディットしない、というのも効率化の手です。

潔く分割する

英語に比べ、日本語の一文のほうが長い傾向にあります。報告書や議事録のような説明系の文章は特に長くなりがちですよね。こういった文は機械翻訳がうまくかからないことも多く、ポストエディットに時間がかかってしまうため、思い切って分割してしまいましょう。編集が楽になるはずです。

例:

【日本語】

本題に入る前に簡単に振り返ると、前回の記事では翻訳者の仕事はなくならないだろうという結論を3つの視点から述べ、最後に翻訳者の未来は安泰なのか?という点についてまとめました。



【機械翻訳】

Before getting into the main subject, I would like to briefly review the conclusion that the translator's job will not disappear in the previous article, and finally, is the future of translators safe? I summarized the point.



【ポストエディット後】

Before we get into the main subject, let's briefly review what we summarized in our previous postWe came to a conclusion that translators won't lose their jobs due to three factorsAlso, we shared our view on the future of translators.


参照元ブログ:機械翻訳VS人手翻訳②Machine Translation Vs. Human Translation Part 2: When Are They Effective?

※対比が分かりやすいように、ポストエディット後の例文は実際のブログ文面から少々変更しています。

接続詞を変えてしまう

日本語では自然に読めてしまう「しかし」「~ですが」などの接続詞も、英語にすると流れが悪くなってしまう場合があります。「あれ、意味が通らなくなってしまった」と感じた場合は悩まずに接続詞を変えてしまいましょう。もしくは、接続詞を思い切って外してしまい、その部分で文を分けてしまうことも手です。

 例:

【日本語】

具体的な流れは上の図のとおりですが、大きく4つのステージに分けることができます。



【機械翻訳】

The specific flow is as shown in the above figure, but it can be roughly divided into four stages.



【ポストエディット後】

The specific flow is as shown in the diagram above. It can be roughly divided into the following four stages.


参照元ブログ:eディスカバリーとは?グローバル時代の日本企業が知っておきたい制度What Is E-discovery? How Translation Companies Can Help You


日本語に含まれる記号を書き換えておく

日本語のプレゼン資料では記号が多用されます。日本語では「+」といった記号を入れて表現しても伝わりますが、英語では同じように使わないケースもありますので、予め日本語を書き換えておくのが無難です。記号だけなら、機械翻訳をかける前にざっと読んで目に付いたものを変更することができ、時間もかかりません。このひと手間をかけることで機械翻訳後の文章構造が変わり、ポストエディットがしやすくなります。​​​​​​​

例:

【日本語】翻訳+フルチェックの「通常翻訳」


【機械翻訳】Translation + full check "normal translation"



【修正した日本語】翻訳とフルチェックを行う「通常翻訳」


【機械翻訳】"Normal translation" for translation and full check


【ポストエディット後】Standard translation, which is translation with a full review afterward.


参照元ブログ:翻訳を賢く安く仕上げるコツ~対象・ファイル・チェック~3 Tips for Reducing Your Translation Costs

まとめ

日本語と英語の特性の違いを踏まえ、英訳のポストエディットを効率化するには?を考えてみました。ちょっとしたコツとして、以下の3点を挙げています。

  • 潔く分割する
  • 接続詞を変えてしまう
  • 日本語に含まれる記号を書き換えておく

普段から「どうしてこういう英語になってしまうのだろう」と感じた機械翻訳をメモしておくと、こういった手直しするポイントが徐々に見えてくると思います。今回の記事で挙げたコツ以外にもいろいろありますので、ぜひご自身で手直しリストを追加して、ポストエディット作業の効率化を図っていきましょう。

川村インターナショナルの翻訳サービス

機械翻訳を最大限に活かして翻訳を行う「ポストエディット(PE)」による翻訳サービスの需要が高まっています。品質/納期/コストなどの要素のうち、どれを優先するべきかによって、一から人間が翻訳する人手翻訳と、機械翻訳+ポストエディットを使い分けることが、今後より重要になってきます。

川村インターナショナルでは、お客様の抱える課題やニーズに応じて、経験豊富なスタッフが最適なソリューションを提案いたします。翻訳やローカライズに関する悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。


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