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【特別対談企画】翻訳業界と品質管理③

 

<目次>

 

品質管理に出会うきっかけ

品質とは何か、品質管理とは何か

品質規格と品種

管理するとは?改善するとは?

品質管理と組織

改善の基本原理と改善マインド

人工知能と品質管理

翻訳業界と品質工学

 

品質企画と品種

川村       でも、普通の品質管理でもお客様の期待に沿おうとするということが、品質になってきますよね。

 

吉澤       そうです。お客様の期待の値を決めるという行為があります。これは品質の企画や計画になります。品質の設計ですね。先ほど述べたように用途に合わせて品質項目を決めなければなりません。決めた後にどのような技術でそれを作り上げていくかが、大きな課題となります。

 

品質項目間には、お互いに矛盾する特性があります。例えば、自動車でいえばエンジンの出力と排気ガスとの関係になります。二酸化炭素の発生しない、エンジンか動力を開発しなければならない時代となってきています。

 

新しいエンジンを開発するときには、どのような技術を用いても良いのですが、使用するエネルギーが最小であり、公害などが出ない動力発生装置を開発する必要があります。しかも、用途に応じて、出力を自由に変えられる、動力発生する機能の装置の開発が、現在は企業の重要な課題となってきていることは、ニュースで見聞きしていることと思います。

 

品質企画の中身は、結局、品質項目を決めることになりますが、品質項目は、動力をえる、意図したととおりに車の方向を変えるなど、機能を決めることに関連しています。

 

さらにものには、形を決めるデザインも品質項目になると考えています。スマホなどでは複数の機能の塊ですが、デザインが重要要素となっています。これは品質の企画をするということなんです。それを達成する技術者はその企画通りに作るんですけど、なかなか期待通り作れないので、そこで改善の仕事がどうしても発生するということですね。

 

これが源流での品質管理の重要な仕事となります。品質企画のための機能の選択やそれを達成する技術の獲得が主な仕事となります。それらの良否により、下流で問題が生じたり、お客のところで品質が受け入れられなかったりします。

 

川村       はい。

 

 

吉澤       翻訳でもそういうことがいっぱいあると思うんです。特にね、前に御社と議論していたように、品種問題は翻訳の品質企画に関わります。意味が通る翻訳なのに、不合格になるなどです。

 

営業用の翻訳機能とサービスマニュアルの翻訳、あるいは小説の翻訳機能では、異なった表現にする必要があります。これは言葉が通じるというものでなく、表現のスタイルが異なるわけです。このようなことは、お客の用途のニーズによりはじめに決めておく必要があります。

 

お客さんがサービスマニュアルの翻訳をしてほしいというのは、サービスの意図を正しく意味し、間違いがない作業ができるというふうに訳さなきゃいけないというような項目になるでしょうけど、ウェブ用の翻訳では、お客さんへの製品の遡及ポイントを重視しなくちゃいけないから、ある意味では意訳的にアピールする意訳をした方が良い場合もあります。まったく同じ原文としても翻訳された後の翻訳の質は全部変わってしまいます。

 

川村       それが時々大きなトラブルになりますね。先ほどの話のように、お客様の期待と、私どもが考えている品質にずれがある場合ですね。

 

形がないものですから、その間に立つ営業がお客様の期待を完璧に聞き取るというのがなかなか難しいところがあるので、本当に難しいものだと思っています。本当はそれぞれのお客様ごとに、さまざまなデータを集めておかないといけないんです。

 

話は変わって品質工学とはどういう学問ですか。なんだか数式をいっぱい使うというイメージがあります。

 

吉澤       工学ですから、特にそうなる傾向があります。数字で証明したり、それで予測をしたり、設計の根拠を与えたり、作り込みをしたりします。学問の中でも工学はそういった数字で裏づけしていくという行為がどうしても必要です。

 

ただ、数字の問題になると方法論になってしまうんです。考え方の部分がない方法論は学問にはならないんですが、その考え方の部分がちょっとユニークなんですね。

 

例えば、あるものの品質特性について不良率と測定したとします。不良率には0%以下はないですよね。100% 以上もない特性です。現状を調べると20%の不良とします。良品率は80%です。後20%を改善すれば100%で不良がない状態になります。

 

そこで、いろいろ対策を考えて、あるAという対策で10%を改善したとします。さらにBという対策で10%を改善しました。さらにまたCという対策で20%を改善したとします。すべての対策を入れれば、合計40%を改善することが予測されます。すべてを対策したらどのような良品の状態になってしまいますか。

 

川村       120%になっちゃいますね(笑)

 

吉澤       そうですね、単純な足し算をすれば120%の良品率となってしまいます。しかし、100%以上は存在しないのです。このように、特性によれば、単純に足し算ができなかったり、引き算ができなかったりする品質特性が存在しています。

 

 

品質工学では、加法性(つまり足し算や引き算ができない性質)の無い特性で改善をすると、その結果が信頼できないもとのなってしまいます。加法性ができる特性で予測できるような解析の考え方で数学処理をすることを品質工学では研究しています。

 

もっと、ややこしいのがばらつきの大きさの評価です。

 

ばらつきの大きさのマイナスは存在しませんから、足し算、引き算ができるばらつきの特性を主に研究しているのが、品質工学会です。しかも、下流で品質問題がでてきて、結局は損失が発生しますから、下流でのばらつきによる損害をいかに少なくするかを目的にばらつきの評価特性の研究をしております。

 

ここ25年間の研究で、いろいろな機能の評価の研究ができていますが、サービス領域に関する機能に関しては不十分であると認識しております。多次元尺度の機能性など新しい領域として研究が開始はされております。

 

<④に続く>

KIマーケティングチーム

KIマーケティングチーム

川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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