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「質」の捉えかたが重要【特別対談】翻訳業界と品質管理②


<目次>


品質管理に出会うきっかけ

品質とは何か、品質管理とは何か

品質規格と品種

管理するとは?改善するとは?

品質管理と組織

改善の基本原理と改善マインド

人工知能と品質管理

翻訳業界と品質工学


品質とは何か、品質管理とは何か


川村       品質というと、製品やものに係るイメージですが、そもそも品質とは何でしょう。


吉澤     私たちは、製品やサービスを提供して生業としておりますが、それらを扱うときに、必ず「量」と「質」という問題が出てくるわけですね。「質」には本来、「量」という概念がないのです。だからその質をどう管理するのかということに係わります。


つまり「質」を、どのように捉えるかということが重要になります。例えば自動車ならハンドルの切れ具合とか、スタイルの良し悪しとか、エンジンのパワーとかというように、製品をある要素に分けて判断します。そのようなことを、自然とやっているわけですね。昔から。


で、品は、例を示せば自動車や鉛筆など使用したり、消費したりする実体のあるものを指していますが、質はその品を表す属性のようなものです。その属性を総称して品質と呼んでいます。



ところがその属性を決めたものが品質だとします。例えば、車で言えば、車体の大きさ、スタイル、エンジンの出力、ハンドルの切れ味などです。鉛筆であれば、芯のかたさ、形状、長さなどです。それらを品質項目と呼んでいます。


それだけでは、品質を決めたことになりませんね。使用や消費をするときには、車体の大きさ、スタイル、エンジンの出力の値など決めなければなりません。そうしませんと自動車や鉛筆が形作りできません。


このように、品質は質で量ではありませんが、品質を決めようとすると必ず値としての量が付随してきます。このように、製品やサービスにより、個々に品質を表現する値を決めて生産し、お客に提供いたします。



しかし、決めた後に、製品やサービスを提供していると、決めた品質どおりにいかなく、ばらついたり、不具合が出たりします。つまり、質のレベルを量として測らないと、質が良いかが分からないことになります。皮肉にも、今度は量を含まないとした質を、どう測るかという量とか数が問題になってきます。品質管理では、特性と呼んでいます。


川村       なるほど。


吉澤       例えば翻訳するというのは一つの機能ですから、専門用語は指定された辞書に対応するとか、美しく翻訳するとか、短く表現するとか、スタイルを統一するとか、いろいろな管理する属性がありますよね。


それらは、すべて品質項目になると思います。それが、翻訳依頼主の期待から外れると、後でもう一回作り直しになります。期待からの外れ具合を、何とか測って、期待通りのものを作っていくかが、課題になってくるわけですよね。シーシュポスの神話からの脱却を目指すことになります。


本来、理想どおりのものができればいいんですけれども、なかなかそうは行かない。そこから外れると、やはり品質問題が出てくる。品質問題というのはいつも下流の工程か、お客さんところで現れてきて、先ほど川村さんのお話にもあったように、後でやり直しとか、不良品などは、捨てちゃう。結局みんな損失になっちゃうわけですよね。


川村       そうですよね。


吉澤       損失を補てんする活動は、それ自体、本来は無駄な作業ですから、そうならないようにすると言うのが品質管理の大きな目的になっています。


川村       そうすると、それぞれの要素に対して、期待するものと現実に出来上がったものとの間の「ギャップ」を埋めていくというのが品質管理だということですか。


吉澤       そうとも言えます。品質管理には二つの面があります。


お話しましたように「分けていろいろ考える項目」を品質と呼ぶ場合もあります。そもそも、分けて考えた品質項目が誤ったものだったり、品質項目の特性値が顧客の要求を満たしていなかったことだったりによる問題です。これは品質を企画するときの問題でもあります。


そして、二つ目は、理想として決めた品質特性値と現実に出来上がった特性値との「ギャップ」があります。

品質工学会で扱う品質は、期待から外れる量を、いかに期待に近づけるかと言うことを、研究しているわけです。それらのギャップはさまざまな損失を生むと考えています。


川村       すると、品質工学で考えられる品質と、我々が扱うような普通の品質管理というのは違うわけですね。


吉澤       エンジンでいえば出力が多いとか、ハンドルの切れ味がいいとか、そういう項目を品質というわけですが、それはレーシング仕様なのか、一般仕様なのか、砂漠で使うエンジンなのかで異なります。出力は、用途やお客の要求により変えなければなりません。


この場合、品質が良い悪いとは言いません。問われる機能が違い、品種が異なると考えます。しかし、品質がいいか悪いかという話になると、決めた量に対する合致が問題となります。そうなった場合は、結局はばらつきの問題になってくるんです。


そのばらつきという問題を、品質というふうにとらえる考え方と、項目を品質ととらえる考え方がありますから、分けて考えるべきですね。今の世の中ではごちゃごちゃになっているケースが多いと感じます。これは翻訳の品質でも議論しました。前者は翻訳の品種問題としてとらえ、後者を品質問題としてとらえ方が扱い易いと申し上げました。


川村       はい。


吉澤       結局、品質問題はお客が損をするか提供者が損をするか、両方が損をするかの経済に関係してきます。何れも損失となります。損失は、無駄ですから、無駄は皆さんが嫌がることです。私が所属している品質工学会はお客さんが嫌がることを一生懸命発生しないようにしようということを研究している団体です。


<③に続く>

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川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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