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これから求められる品質標準【特別対談】翻訳品質と標準化①

-国際標準規格ISO17100が発行されて3年余り。
国内では同規格の認証を取得する企業も増えてきた。国際標準のプロセスを規定した同規格が普及する一方、品質を評価する手法については、いまだ標準化は開発途上だ。
指標に対する標準化への要求は高まっているのか。標準化のためには、どんな課題があるのか。-


LISA QA model、ASD-STE 100、そしてMQM、TAUS-DQFなど、さまざまな標準や評価指標が生み出される中、日本翻訳連盟という業界団体の中でプロセス統一、標準化に力を注がれておられる西野さん(合同会社グローバリゼーションデザイン研究所代表/日本翻訳連盟理事)をお招きして、これから求められる品質標準に対する意見交換をする対談記事です。


<目次>


はじめに

日本翻訳連盟(JTF)とJTFスタイルガイド

スタイルガイドから翻訳品質評価全体へ

実はあまり普及していない、海外発の品質評価フレームワーク

Garvinの5分類とPreference

翻訳業界のこれからについて


はじめに


森口  よろしくお願いします。本日は、翻訳の品質の標準化や指標などのお話をさせて頂きたいと思い西野さんにお越し頂きました。

西野さんは、グローバリゼーションデザイン研究所の代表で、一般社団法人日本翻訳連盟の理事でもいらっしゃいます。まずは西野さんの略歴と翻訳業界の接点について簡単にご紹介いただいてもよろしいでしょうか。


西野  翻訳業界には、大学卒業後すぐに入りました。大学卒業後に、翻訳学校にしばらく通ってから、翻訳会社のトライアルを受けました。幸いトライアルに受かりまして、オンサイトでの勤務を打診していただきましたので、フリーランスではありますが、オンサイトで何年か勤務していました。それが翻訳業界に入った最初ですね。



その後もフリーランスとして勤務していたり、とある翻訳会社に社員として入社したりしていたころ、プログラミングに興味を持ち始めました。2008年頃に働きながら社会人向けの夜間大学院に通って、ITを専攻しました。それ以降、翻訳に加えプログラミングの仕事も始めました。


森口  そうなのですね。海外にも留学されていましたよね。日本に戻ってこられた後にプログラミングの勉強を開始したということですよね。

現在西野さんは日本翻訳連盟(JTF)の理事としての職務もお持ちですが、JTFにかかわり始めたきっかけは何だったのでしょうか。


西野  2010年頃に、翻訳祭で講演依頼をいただいて、登壇したのがきっかけです。


森口  その時のテーマは何だったのですか。


西野  その時はちょうどAndroidが出たばかりの頃で、まだAndroidのスマートフォンが日本で発売されていませんでしたが、私は先行してアプリを開発していました。

最初にアプリを出したときには、他にアプリもそれほどなかったので、結構ダウンロードされて売れました。翻訳者でもあったので、日本語版も英語版も作れたことも功を奏して、海外でもダウンロードされました。その体験談を講演してくれということでした。


森口  なるほど、翻訳技術というよりアプリのローカライズの話だったのですね。


西野  自分で作ったアプリをローカライズして英語版も出したっていう感じの切り口です。


森口  そこをきっかけに、JTFと接点ができたわけですね。それで現在はJTFの翻訳品質委員会とJTF内ISO検討会に所属されています。翻訳品質委員会では、翻訳品質のガイドライン策定に携わられていますね。


西野  はい


森口  ちょっと背景を補足しておくと、ISOやASTMなどの標準化団体でも翻訳や通訳が取り上げられることが最近増えてきて、翻訳関連では2015年にISO17100:2015という国際標準規格ができました。


欧米で、最近ほど精度が良いものではないが機械翻訳サービスが10年ほど前に出てきて、主婦や学生などのパートタイムワーカーも多く活躍するクラウドソーシング*翻訳サービスも出てきたことで価格競争が始まったわけですが、このころから国際標準規格を策定しようという動きが強まったと記憶しています。

つまり、従来からある、専門職としての人手翻訳があって、そこにパートタイムワーカーのようなクラウドソーシング翻訳や、機械翻訳などの選択肢ができたときに、品質レベルをどう定義していくのかという問題が生じた。「安かろう悪かろう」であることは間違いないが、線引きが難しい状態だったことが背景なのかなと。

*ここでいう「クラウド」は”Cloud(雲)” ではなく ”Crowd(群衆)”を指す。


西野  そうかもしれませんね。ISO17100 の場合だと、翻訳サービスを提供するプロセスを定義することによって、そのプロセスを経た成果物の品質も担保するという考え方だと思います。

ただし、それでは翻訳成果物そのものを評価しているものではないので、プロセスの評価ではなく成果物を直接的に評価する方法が必要なのではないかという意見が出た。それで現在はISO17100とは別規格としてプロセスではなく指標を議論する国際標準規格の策定も始まっています。


森口  ISO 17100:2015は、当社のようなランゲージサービスプロバイダ(翻訳会社)が認証を取得するような規格ですが、それを策定するのは、国際標準規格を作る組織(ISOなど)です。

ISO 17100:2015が発行されたということもあるのですが、翻訳標準、翻訳品質の測定指標ということにはそれなりに注目が集まっていると思いますね。他国の業界団体でも同様な動きがあっていろいろと議論がされていますよね。


西野  大きい国際標準化団体だとISOとASTMですかね。国際標準化団体ではないですが欧州が資金を拠出して開発を支援しているMQMという時限プロジェクトがあったり、機械翻訳や自動化のシンクタンクであるTAUSが出しているDQF-MQMがあったりします。


②に続く

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川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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