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簡体字?繁体字?その中国語、正しいですか? Vol.2

観光客の増加に伴い、東京や大阪など大都市では、街中のいたるところで中国語を見かけるようになりました。 

日本語と同じく漢字を使用することから、タイ語やベトナム語など他の外国語に比べて、意味を想像しやすいかもしれません。

特に旧表記を用いる繁体字(Traditional Chinese)は、日本語漢字と同じ書体をであることも多く、同じ意味を持つ言葉も多く存在します。

しかし、中には同じように見えて全く意味が異なる(受け止め方が異なる)場合もあるので、注意が必要です。

日本語漢字と中国語漢字

現在、私たちが使用している「漢字」は今から1500~1800年ほど前に、中国から朝鮮半島を経て日本に伝わったと言われています。

当時の漢字は、楷書(真書)や行書と呼ばれるもので、現在の繁体字(Traditional Chinese)に近い書体だったようです。

日本語漢字が繁体字に似ているのも当然ですね。

この時伝わった漢字をベースに、国字と呼ばれる和製漢字や仮名文字などの表記方法が開発されました。

それ以前の日本では、いわゆる「文字」というものが存在せず、伝達・記録などあらゆるコミュニケーションが口頭のみで行われていたというから驚きです。 

どのくらい似てる?日本語と中国語

元来「漢字」は、中国語を表記するために作られた文字です。

日本語漢字は、中国から伝来したものがベースになっているため、当然似ている文字や表現が数多く存在します。

例えば、日本語の「結婚」は簡体字でも「结婚」、繁体字でも「結婚」と表記されます。簡体字の書体が少し異なりますが、とても良く似てますね。

また、飲食店などで良く見かける「食べ放題」は、簡体字でも「放题」、繁体字でも放題と表記されます。

これは、元々は日本で生まれた和製漢字ですが、中国語で発音したときに響きが良いことから、中国/台湾/香港でもそのまま使用されるようになったようです。

どのくらい違う?日本語と中国語

一方、文字が同じまたは類似していても、全く違う意味だったり、反対の意味だったりすることもあります。

伝来から1000年以上の時を経て、言葉の意味も、互いの文化に合わせて、少しづつ進化してきたのです。

例えば、日本語の「ありがとう」を漢字で書くと、「有難う/有り難う」となりますが、「有難」という言葉は中国語で、「何かしら困難な状況にある(=in trouble)」ことを意味します。

反対に「ありがとう」を中国語で表記すると、「謝謝(繁体字)/谢谢(簡体字)」となりますが、「謝」は日本語では反対に「わびる」(=Apologize)の意味をもちます。

 「勉強頑張って!」と励ますつもりが、無理強いしてしまったり、「娘」が「母」になってしまったり、「手紙」が「トイレットペーパー」になってしまったり。 。

 

「中国語も日本語と同じ感じだし大丈夫だろう。」「意味くらい通じるだろう。」などと、安易に考えるのは禁物。

メッセージの対象読者に応じて、適切な字体、表現、用語を使い分けるのが、正しい中国語翻訳の第一歩です。

 

前田耕二

前田耕二

KI Hong Kong, Limited 取締役。 川村インターナショナル香港現地法人の代表として2012年より香港にて勤務。 中国語および東南アジア言語のローカリゼーション業務に従事。

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