ポルトガル語を使う国といえば、ポルトガルはもちろんのことですが、次に思い浮かぶのはブラジルではないでしょうか。
ブラジルはポルトガル語を公用語としており、その人口も非常に多いです。そのため、ポルトガル語を母語とする総人口の約2.5億人のうち、約2億人はブラジル人で占められているとされています。
その他にも、かつてのポルトガルが行った植民地政策により、一部アフリカ諸国(ポルトガル語公用アフリカ諸国)やマカオでも、ポルトガル語は公用語として定められています。
このため、ポルトガル語は世界でも7番目に多くの話者人口*を有し、多言語翻訳においても欠かせない言語となっています。(*ウィキペディア)
ポルトガル語にも、他の言語と同じように方言が存在します。大きく分けると「イベリアポルトガル語」と「ブラジルポルトガル語」が存在し、ポルトガルで話されている方言とブラジルで話されている方言で分けられます。
イベリアポルトガル語とブラジルポルトガル語では、発音や文法そして単語で異なる部分があります。口語でコミュニケーションを図ることはできますが、異なる部分もあるため、翻訳の際にはどの地域をターゲットにするのかを明確にし、それを翻訳会社に伝えたり、適切な翻訳者に依頼することが重要となります。
ちなみに、話者人口が多いこともあり、日本でポルトガル語を学ぶ場合、ブラジルポルトガル語になることが多いそうです。
ポルトガル語は大航海時代にアジアやアフリカへも広まりました。日本へは戦国時代にキリスト教と一緒に広まり、今でも多くのポルトガル語由来の単語が使われています。
例えば「合羽」「煙草」「歌留多」「ボタン」「襦袢」「パン」などがポルトガル語由来であるとされています。
ポルトガル語由来の外来語は、他の言語由来の単語と異なり漢字の表記があてられているケースが多いです。
これは英語やフランス語などの19世紀以降に流入した外来語と比べると、ポルトガル語は非常に早い段階(16世紀以降)から日本に流入しているからです。「合羽」「襦袢」など、外来語であるとは思いもしなかったものもあるのではないでしょうか。日本と、ポルトガル語のつながりの深さを感じることができますね。