翻訳・機械翻訳・ポストエディットなど翻訳に関連する情報を発信
無料翻訳ツールのセキュリティリスク

その情報、収集されています!無料翻訳ツールのセキュリティリスク

かつて機械翻訳といえば、「不自然な訳文」というイメージでした。ところが2016年からニューラル機械翻訳と呼ばれる新たな機械翻訳技術が導入されるようになり、Google翻訳をはじめとした無料翻訳ツールも品質が飛躍的に向上しました。最近ではDeepL翻訳が、自然な訳文の無料翻訳ツールとして人気を集めているようです。


Google翻訳やDeepL翻訳といった無料翻訳ツールは確かに便利です。テキストを入力するだけで、(誤訳の有無は別として)一瞬で指定の言語に変換してくれるのですから。訳文は多少、不自然な場合もあるかもしれませんが、無料であることを考えたらほとんどの人は許容できるのではないでしょうか。

目次[非表示]

  1. 1.無料翻訳ツールではすべてが筒抜け
  2. 2.無料翻訳ツールで実際にあった漏洩事件
  3. 3.重要なテキストの翻訳には有料の翻訳ツールを
  4. 4.まとめ

無料翻訳ツールではすべてが筒抜け

そんな便利な無料翻訳ツールですが、利用するうえで心に留めておかなければならないことがあります。それは、原文データと訳文データは収集されているということ。「何のために?」と思うかもしれませんが、その理由はサービス向上のためです。収集した原文と訳文を学習データとして、AIの精度向上に活用しているのです。




原文データと訳文データが収集されていることは、各サービスの利用規約にもきちんと明記されています。例として、DeepLの個人情報保護方針では、無料版について「ニューラルネットワークと翻訳アルゴリズムのトレーニングおよび性能向上を目的として、入力済みのテキストおよびアップロード済みの文書ファイルとそれぞれの訳文を一定期間保存します」「個人データの類が含まれるテキストはDeepL翻訳で使用してはいけない」といった記載があります。DeepL翻訳の個人情報保護方針の全文はこちらから(外部サイトへリンクします)。

つまり、機密性の高い内容は無料翻訳ツールに入力してはならないということです。


無料翻訳ツールで実際にあった漏洩事件

「でも、サービス向上のためでしょ。別に悪用されるわけでもあるまいし」なんて思う方もいるかもしれません。ところが、2015年には、「I Love Translation」という無料の翻訳サイトに入力した原文と訳文が誰でも閲覧可能な状態で公開されてしまうという問題が発生しています。中央省庁や銀行の業務メール、弁護士と依頼人のやりとりのメールなど、社外秘と思われる情報が企業や個人を特定できる状態で公開されていました。

​​​​​​​

こういった背景から、無料翻訳ツールの使用を全面的に禁止している企業も少なくありません。発売前の新製品の情報を、うっかり無料翻訳ツールに打ち込まれでもしたら、重大な情報漏洩インシデントに繋がりかねませんからね。無料翻訳ツールは、機密性の低いテキストの翻訳にとどめておくとよいでしょう。ビジネスシーンで利用する場合は注意が必要です。


重要なテキストの翻訳には有料の翻訳ツールを

では、機密性の高い文書を機械翻訳にかけたいときはどうすればよいのでしょうか?そんなときは有料の翻訳ツールを利用しましょう。無料の翻訳ツールと有料の翻訳ツールにはさまざまな違いがありますが、その中でも特に大きいのがセキュリティ面の違いです。
有料の翻訳ツールでは、基本的に原文データや訳文データの収集はしていません。(サービスによって異なる場合もありますので、個々のサービスの規約をご確認ください。)原文データは訳文を生成するためだけに利用され、訳文が生成されたら、原文も訳文もサーバーから削除されます。またデータの送受信には暗号化通信が利用されているため、原文や訳文が第三者に読み取られることもありません。

上述のDeepLも、有料版については個人情報保護方針で「契約で合意したサービスの遂行後、送信済みのテキストもしくは文書ファイルとこれらの訳文はすべて削除されます」「翻訳サービスの品質向上を目的としてお客様のテキストを使用することはありません」と明記しています。

​​​​​​​

まとめ

無料翻訳ツールは手軽に利用できる分、デメリットも多いです。特にデータが収集されていることについては、あまり認知されていないので、利用するときは十分な注意が必要です。

川村インターナショナルでは、機械翻訳エンジンとして「みんなの自動翻訳@KI(商用版)​​​​​​​ 」を提供しています。原文や訳文を収集しないのはもちろん、サーバーも日本国内に設置されているためセキュリティ面での不安がありません。また、NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)が日本のために開発した次世代型のAI自動翻訳エンジンを商用化しているため、訳文の精度も非常に高いです。さまざまな分野に使える汎用エンジンのほかに、分野特化型エンジンとして、特許、特許審決等、金融(IR/適時開示)、金融サービス、法令契約、サイエンス、ニュースエンジンもご利用いただけます。

また、機械翻訳を活用したい個人の翻訳者様向けに、「みんなの自動翻訳@KI(個人版)」​​​​​​​ もご用意しています。商用版も個人版も2週間の無料トライアルがありますので、気になった方はお気軽にお問い合わせください。


関連記事

KIマーケティングチーム

KIマーケティングチーム

川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

この記事がお役に立ったらシェアをお願いします!

ホワイトペーパーはこちら


人気のダウンロード資料

タグ

JSAマーク
ISO17100
JSAT 007

認証範囲:
金融・経済・法務、IT、医療・医薬、電気 ・機械、航空宇宙分野の技術翻訳サービス 及びソフトウェアローカリゼーション (英日、日英)
SGS_ISO-IEC_27001_with_ISMS-AC
※当社では、ISO17100に準拠した翻訳サービスを提供可能です。
準拠サービスをご希望の場合は、ご依頼時にお申し付けください。