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機械翻訳VS人手翻訳~マニュアル活用編

機械翻訳VS人手翻訳~マニュアル活用編②~

今回は「機械翻訳VS人手翻訳 ~マニュアル活用編②~」と題して、前回の①で書き切れなかった部分、機械翻訳がマニュアルに活用できるかを品質費用納期の3つの観点から見ていきたいと思います。 

マニュアルの翻訳に機械翻訳を活用したい方、機械翻訳を活用することのメリットやデメリットを知りたい方はぜひ一読ください。
なお、過去の記事「機械翻訳VS人手翻訳 ~マニュアル活用編①~」はこちらからご覧いただけます。

では早速本編に入っていきたいと思います。

目次[非表示]

  1. 1.品質面の比較
  2. 2.費用面の比較
  3. 3.納期面の比較
  4. 4.TM+MT+PE
  5. 5.まとめ


品質面の比較

まずは品質面から見ていきましょう。品質に関しては、実際にご覧いただく方が分かりやすいと思いますので、下記の例をご覧ください。


【原文】​

傾斜面で動かす際は、本機の正面を進行方向にし、転倒しないようにゆっくり動かしてください。


【訳文】
・機械翻訳+ポストエディット

When moving the machine on an inclined surface, make sure that the front of the machine is facing the direction of the movement and move it slowly so that it does not topple over.

・人手翻訳

If moving the machine on an incline, move it slowly keeping the front pointed forward while ensuring that the machine does not tip over.​


いかがでしょうか。人手翻訳と比較すると、機械翻訳+ポストエディット の訳文は、多少冗長な印象を受けるかもしれません。しかしながら、内容を正しく把握するには問題ない訳文だと感じていただけたのではないでしょうか。

このように読みやすさは人手翻訳と比較すると多少は劣るものの、費用や納期にメリットがあることを考えると、利用価値は高いと言えます。なお、補足として、川村インターナショナルでは求める品質レベルに応じて、ポストエディットの作業項目を設計して成果物の品質を高めることも可能です。


費用面の比較

次に費用面を見ていきます。

費用に関しては、機械翻訳を活用することで翻訳チェック(=ポストエディット)の負荷が高くなるものの、1から英文を作成する必要がなくなるため、総じてコストは下がると言えます。

製造メーカーを例に挙げると、マニュアル自体のボリュームはもちろん、マニュアル種別も多いため、それらを多言語化する必要がある場合には膨大なコストがかかります。その膨大なコストを大幅に削減したいという場合には、機械翻訳の活用はもってこいと言えるでしょう。

ユーザー向けのマニュアルは読みやすさが重視される傾向がありますので、ポストエディットの活用は検討が必要かもしれませんが、技術者用のマニュアルなど読みやすさよりも内容に間違いがないことが重視されるマニュアルでは、機械翻訳を活用するメリットは充分にあると言えます。お客様により効果はさまざまですが、従来よりも53%コスト削減できたという事例もあります。

…夢のある話ですよね?マニュアル翻訳における費用削減が目下の課題というお客様はぜひ機械翻訳の活用をご検討いただければと思います。


納期面の比較

最後に納期面を見ていきます。

納期に関しては、費用面と同様に、機械翻訳を活用することで翻訳チェックの負荷が高くなるものの、1から英文を作成する必要がなくなるため、総じて納期は短くなる傾向にあります。

もちろん機械翻訳の精度によりチェック工程の負荷が変わりますし、画像データが多いなど、さまざまな変動要素があるので、一概には納期が短縮できるとは言いきれません。しかし、弊社実績で見ると大半の事例で納期は短縮されており、数千ページのマニュアルを対応した際に人手翻訳の5分の1ほどの納期で対応することができたという事例もあります。

分量が大きければ大きいほど納期短縮の効果も見込めるということがお分かりいただけると思います。逆にA4一枚程度といったように分量が少ないものでは、納期短縮の効果というのは感じにくいかもしれませんので、その点はあらかじめご承知おきください。

翻訳の工数が増えて開発スケジュールが後ろ倒しになってしまった経験がある方には、納期短縮の方法の1つとして機械翻訳の活用をお勧めいたします。


TM+MT+PE

ここまでQCD(品質・費用・納期)の観点で機械翻訳のマニュアル活用への可能性を見てきましたが、いかがだったでしょうか?具体的に「自社のこのマニュアルに機械翻訳が使えそうだな…」と肯定的に捉えた方も少なくないのではないでしょうか。

とは言っても、やはり品質が気になって、機械翻訳の活用に二の足を踏んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。根本的な解決方法ではありませんが、最後に機械翻訳の活用において少しでも品質を高める(+費用と納期の効果も高める)方法を紹介して、本記事を締めたいと思います。

その方法とは…ズバリ今までのシリーズでも何度か紹介しましたが、「TM(翻訳メモリ)+MT(機械翻訳)+PE(ポストエディット)」です!!このプロセスの特徴としては、類似度が高い文章(流用率が高い文章)において、TMの訳文を流用・参照することができるため、機械翻訳を単体で活用するよりも品質を向上させることができます。ただ、注意が必要な点として、TM内の訳文品質が悪い 場合には、それを流用・参照することになるため、品質向上が期待できないことはご留意ください。

まとめるとTMの品質が高いことが前提になりますが、このプロセスを採用することが自社の翻訳財産の活用にもつながりますし、QCDの最適化につながると言えるでしょう!

まとめ

さて、2部に渡った「機械翻訳VS人手翻訳 ~マニュアル活用編~」もこれにて終了となります。翻訳のQCDの最適化にお悩みの方は、これを機に機械翻訳の活用をご検討されてはいかがでしょうか?

なお、自社内での対応が難しいといった場合、川村インターナショナルにて本業務を受託することも可能ですので、ご不明な点あればお気軽にお問い合わせください。

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川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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