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翻訳会社との上手な付き合い方 Vol 9 ~原文データ編~

翻訳会社との上手な付き合い方 Vol 9 ~原文データ編~

見積もりを安くするのも納期を短くするのも、提供するデータ次第ってご存じですか?

翻訳会社との上手な付き合い方シリーズの第9回目は、「原文データ」についてご紹介します。

原文の元データがあるかないかでは大違い。イメージ通りの仕上がりで納品してもらうためにも、翻訳の品質を上げるためにも、そして結局自分で修正したなんてことを防ぐためにも、翻訳用のデータに関する注意点についてまとめてみました。

目次[非表示]

  1. 1.そのデータ、上書きできますか?
  2. 2.PDFファイルしかないんだけど・・・
  3. 3.正しいアプリケーションで作成していますか?
  4. 4.印刷用データの注意点
  5. 5.元データがあると翻訳の品質も上がる!?
  6. 6.翻訳コスト削減につながる、翻訳用データを作成します
  7. 7.川村インターナショナルの翻訳サービス

そのデータ、上書きできますか?

原文と同じレイアウトで納品する場合、元データ(オリジナルのデータ形式)を提供いただければ、そのまま上書きして納品できます。翻訳のターゲットとなる言語によっては、文の長さやフォントのサイズなどを調整する必要がありますが、原文のレイアウトをそのまま使えるので、発注する側としても一番イメージ通りの納品物になるのではないでしょうか。

提供いただくデータがPDFファイルの場合は、MS-Wordなどでレイアウトを作り直す必要があり、レイアウト作成費用(DTP費用)が掛かってしまいます。さらに、ひとつ工程が増えるので、その分時間も掛かります。

そもそもPDFファイルは、閲覧者のPC環境やフォント環境に依存せず情報を共有できるように変換したデータで、基本的にPDFファイル上には上書きができません。上書きして納品するためには元データが必要になります。翻訳を依頼する際、手元にPDFファイルしかない場合は、その元になっているオリジナルデータを探してみてください。


PDFファイルしかないんだけど・・・

PDFファイルの元となるオリジナルデータがどうしても入手できない場合は、一番近いフォーマットが再現できるアプリケーションを使って作業することになります。たとえば、報告書や契約書などであればMS-Wordを、プレゼン資料であればPowerPointを、といった具合です。

そのとき確認しないといけないのは、どこまで再現性を求めるかとういうことです。原文と極力同じレイアウトにするのか、細部にはこだわらないのか、それによってレイアウト作成費用も大きく変わってきます。「社内で参考に使うので簡易的でいいですよ」などと伝えてください。余計なレイアウト作成費用をかけずに済みます。忠実にレイアウトを再現する場合は、会社指定のスタイルガイドがあれば、それを一緒に提供するといいでしょう。

写真や図表などがある場合は、その画像データ(JPEG、EPSなどの形式のデータ)が入手できるかを確認しましょう。画像データがないときは、PDFファイルから写真や図表を切り取って使うか、図表の場合は作り直す必要が出てきます。多くのPDF ファイルはオリジナルデータを圧縮して生成されるので、画像は解像度が落ちて見づらくなっています。PDFファイルから画像を切り出しても解像度はそれ以上良くならないので注意が必要です。


正しいアプリケーションで作成していますか?

たとえば報告書や手順書を書くのであれば、MS-Wordを使うのが一般的ですよね。プレゼン資料であれば、PowerPoint、表計算であれば、Excel。まれに適切でないアプリケーションでドキュメントを作成しているのを見かけます。取扱説明書を敢えてPowerPointで作ってみたり、報告書をExcelで作ってみたり…。

そのドキュメントに適切でないアプリケーションで作成されたデータを翻訳して上書きすると、一般的なアプリケーションで作成されたものに比べて生産性が落ちるため、通常より費用が高くなることがあります

また、たとえば日本語をきれいに印刷できるように細かく設定していたり、1ページにびっしり文字が埋まっていたり、テキストボックスに目一杯文字を詰め込んだりすると、翻訳するターゲットの言語によっては文字が収まらなくなり、文字のサイズを小さくしたり、レイアウトを調整したりするなど、見た目が原文と変わってしまう可能性もあります。


印刷用データの注意点

用途によって使用するアプリケーションが限定されることがあります。冊子ものであれば、Adobe社のInDesign、リーフレットなどであれば、Adobe社のIllustratorなどを使うのが一般的です。

印刷会社や制作会社にデータを作成してもらったり、海外の本社からデータを取り寄せたりする場合は、原文の元データはもちろん、画像データなど一式で提供する必要があります(Illustratorには、アウトラインのかかってないデータが必要です)。使用するフォントに指定がある場合もあります。データのサイズもものによっては大容量になるので、会社指定のファイル転送サービスなどを利用してデータのやり取りをすることになります。

印刷をして配布したい、PDFにして会社のウェブサイトで公開したい、でも元データがなくPDFファイルしか入手できなかったといった場合も、その用途にあったアプリケーションでレイアウトを作り直すことになります(※少数部数の印刷やデータの内容によってはMS-Wordなどでも対応可能なケースもあります)。その場合も先述したように画像データなどが必要となるので確認しておきましょう。


元データがあると翻訳の品質も上がる!?

翻訳をする際に、多くの翻訳会社が翻訳支援ツールを標準的に使用しています。翻訳支援ツールは翻訳用の対訳集や用語集があれば、それを流用することで品質が安定するだけでなく、複数名での作業をバックアップする機能や、ヒューマンエラーを軽減する自動チェック機能などもあり、翻訳の品質向上に役立ちます。

また、翻訳用の対訳集があれば、コストも下がり、生産性も上がるので納期短縮に繋がります。ただし、原文の元データがないとこれらのメリットは享受できません。


翻訳コスト削減につながる、翻訳用データを作成します

PDFは手元にあるけれど、原文の元データはどこにあるか分からない。スキャニングデータしかない。。。といったことも多いと思います。川村インターナショナルは、AI・アノテーション技術を活用して、既存データを資産に変えるお手伝いをさせていただきます。

  • 翻訳用の対訳集/用語集作成したい
  • 日本語や英語だけでなく、さまざまな言語のテキストデータを抽出したい
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という方はぜひお気軽にご相談ください。原文の元データを資産にすることで、コスト・納期・翻訳の品質を改善が可能となります。

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川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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