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書籍レビュー:『自動翻訳大全 終わらない英語の仕事が5分で片づく超英語術』

2020年10月、三才ブックスより『自動翻訳大 終わらない英語の仕事が5分で片づく超英語術』が出版されました。

坂西 優・山田 優(2020).自動翻訳大全 終わらない英語の仕事が5分で片づく超英語術 三才ブックス
(出典:三才ブックス


本書では、翻訳文の精度を上げるための「自動翻訳の使い方のコツ」が紹介されています。

「読む」「書く」「聞く」「話す」に章分けされているため読みやすく、それぞれ具体的な翻訳ツールも提示されており、すぐに仕事に活かすことができます。

「自動翻訳が訳しやすい日本語を書く」スキルなど、翻訳だけでなく、英語学習にも、ひいては日本語でのビジネススキルとしても応用できる内容だと思います。


※自動翻訳は機械翻訳ともいわれます。

※下線部分は本書からの抜粋です。


目次[非表示]

  1. 1.自動翻訳に丸投げはできないものの
  2. 2.プリエディット
  3. 3.自動翻訳は聞く・話すにも使える
  4. 4.英語学習にも効果あり
  5. 5.まとめ
  6. 6.川村インターナショナルの翻訳サービス

自動翻訳に丸投げはできないものの

「5分で片づく」という副題から、「自動翻訳が非常に高精度になっていて、もしかして英語ができなくても、ついに英語の仕事は5分ぐらいで全部機械がやってしまう時代がきたのでは?知らなかったのは筆者だけなのでは?」と、期待と焦りを感じましたが、そんな機械に丸投げできるような都合のいい内容ではなく、本書に記載されているのは機械を「使いこなすためのコツ」でした。

しかし、それは「ほぼ丸投げ状態にできる」コツであり、最後には自分の英語力も自然に向上してしまうという、想像以上に好都合な結論になっており、さらに自動翻訳を使いたくなります。


AI技術の進歩により機械の精度は確かに飛躍的に向上してきていますが、それでも現時点では、最後に見直して「正確に訳されているかどうかを人が判断する」工程と、多少の修正は必要です。

Chapter 6にもAI翻訳の限界について触れられていますが、元の文章をそのまま機械に放り込んでも誤訳が残る場合があるわけです。


機械を使うのは人なので、機械に全部取って代わられるということはないわけですね。良かった…。

プリエディット

翻訳する文章をそのまま自動翻訳に入れるのではなく、入れる「前」にひと手間を加える。それだけで誤訳を回避し、自動翻訳の英語の質をほぼ完璧なものにできます。このプロセスを「プリエディット」といいます。(Chapter 1より)

より正確に機械に翻訳させるためには、原文を「自動翻訳が訳しやすい」文章に調整する必要があります。


Chapter 3では、日本語英訳の場合のプリエディットにおいて、具体的に「自動翻訳が訳しやすい日本語」を書くスキルが紹介されています。


しかし、例えば、以下は目次からの抜粋ですが、どれも自動翻訳のためのスキルであると同時に、ビジネス文書を日本語で書くときのスキルのようでもあります。

曖昧な日本語を避け、機械が翻訳しやすい文章を書くことは、英訳のためだけではなく、情報伝達力の基本になりますね。


長い文章は区切って1文を短くシンプルに!

主語は省略せず「誰が」をハッキリと書く

それは誰のものなのか「誰の」をハッキリさせる


筆者は上司と話していて、度々「誰がですか」「何をですか」と質問されてしまうのですが、本書を読んでからは、曖昧な日本語をプリエディットされているのだなと実感しています。

筆者もプリエディットを繰り返していけば、いずれ一発で相手に伝わる日本語を話せる日が来ることでしょう。精進いたします。


自動翻訳は聞く・話すにも使える

本書では「聞く」ときに使えるツールも複数紹介されており、英語が苦手な人が急に英語を「聞く」ことになった場合には頼りになると思います。

また、Chapter 5.今すぐ「話す」では、音声翻訳アプリやデバイスに話してもらう方法も紹介されていますが、「プリエディットを駆使すると英語は「自力で」話せる!」とあるとおり、プリエディットは会話にも有効ということです。プリエディットは本当に万能ですね!

英語の組み立て方については、さながら文法書のように多くのページが費やされていますが、どれも非常にシンプルで、難しい内容はありません。


ただ、英語を流暢に話せる人には機械の出番はほぼないため、自動翻訳が威力を発揮するのは、英語が得意・不得意に関わらず、やはり読む・書く作業の「時間の短縮」なのかなという印象を持ちました。


英語学習にも効果あり

機械が翻訳してくれるとはいっても、使用する方には、やはり少なくとも「この英語は少しおかしい気がする」と、何となくでも気付けるレベルの英語力は必要になるわけです。

それでは結局英語の勉強は必須なのかと思ってしまいますが、そのあたりの懸念も最後のChapter 6にしっかりフォローされており、非常に気がラクになります。


自動翻訳は英語学習の対局にあるように見えますが、「プリエディットを繰り返し行うことによって、英語力はアップします。」と明言されています。使用する人の「言語の能力」が底上げされるためです。


時間を作って英語の勉強をしなくても、機械から出力される英語を見ながら日本語を調整するというプリエディットだけで言語能力が上がるなんて、まさに夢のような話で、個人的にはこのChapter 6に一番励まされます。


筆者は2020年に入ってから川村インターナショナルの一員となりましたが、いまだに毎日悪戦苦闘しています。対照的に、上司や先輩方は仕事が早くて指示が明確、一切の無駄もなく、毎日「この違いは何だろう。慣れだけとは思えない。何を食べたらそんなに仕事ができるようになるのだろう」と悶々としていました。


しかし、本書を読んでようやく謎が解けました。


その差は食べ物ではなく、やはり言語能力と英語構造をベースにした思考回路にあるようです。上司が全員毎日プリエディットしているわけではないと思いますが、本書にあるプリエディットのテクニックは、仕事ができる人を想像するとだいたい納得できます。


まとめ

英語を使いこなすために求められるスキルとは、すなわち日本語を使いこなすためのスキルでもあります。情報伝達がスムーズだと、日常的に効率よく仕事ができます。

日本語の曖昧な表現は、相手を思いやったり、情緒的であったり、重要な文化ではありますが、英語が必要なビジネス環境では、英語的な思考方法が合っているのかもしれません。

機械が訳しやすい文章を書けるようになった時、自動翻訳を使いこなして素早く仕事ができるだけでなく、あらゆる業務を鮮やかに片づけられる言語脳が得られているかと思うと、毎日プリエディットを意識して暮らした方がいいのではないかとさえ思えてきます。


川村インターナショナルの翻訳サービス

「プリエディット」と同様に、機械翻訳を最大限に活かして翻訳を行う「ポストエディット(PE)」による翻訳サービスの需要が高まっています。ポストエディット (Post Editing) とは、スピードとコスト重視の機械翻訳だけでは品質が不十分なケースで、人手による後編集を適用して、お客様が求める翻訳に仕上げるサービスです。

すべてのコンテンツ、文書に対してポストエディットが適しているわけではありませんが、ローカリゼーションを中心にマーケティング翻訳、マスメディア翻訳などはポストエディットに向いている文書と言えます。また機械翻訳エンジンの進化、変化に伴い、ポストエディターに求められる能力も徐々に変わってきています。今後も機械翻訳とポストエディットの動向に目が離せません。

川村インターナショナルでは、今までに経験したポストエディット案件量と作業者の数が違います。英語と日本語のペアに限定せず、英語から欧州言語など、ネイティブの言語を話すポストエディターを確保できるのも弊社の強みです。お客様が抱えるあらゆる問題について、多様なご提案をさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。


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川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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