翻訳・機械翻訳・ポストエディットなど翻訳に関連する情報を発信
Original

SAP Translation Hubとは

JSUG ゴールドサポーター(外部リンク)として、JSUG Focus 2019(外部リンク)にも参加している弊社は、SAP が提供する機械翻訳ソリューションのプラットフォームである「SAP Translation Hub」をSAPランゲージサービスパートナーとしては日本で初めて導入し、短納期で予算に制限のあるプロジェクトに対しても幅広い提案ができるようになりました。

SAP Translation Hub (STH) とは、SAP が自社製品のユーザー向けに開発した、機械翻訳のクラウドプラットフォームです。SAP が所有する対訳データおよび用語集を活用することで、精度の高い訳文を出力することができ、翻訳に要するコストと時間を削減できます。

目次[非表示]

  1. 1.SAP 翻訳の難しさと特殊性
  2. 2.SAP Translation Hub の特徴
    1. 2.1.膨大な翻訳資産の活用
    2. 2.2.SAP 製品 (開発環境) との統合
    3. 2.3.翻訳品質の評価
  3. 3.SAP Translation Hub の品質を検証
    1. 3.1.評価結果
  4. 4.SAP Translation Hub の効果
  5. 5.おわりに
  6. 6.川村インターナショナルのSAP翻訳

SAP 翻訳の難しさと特殊性

SAP 社のソリューションは、企業の基幹業務を総合的に管理するためのソフトウェアであり、その翻訳には IT はもちろんのこと、さまざまな分野において高度な専門性が必要とされます。

また、SAP 独自の専門用語を正確に翻訳するには、Sterm (STM) と呼ばれる用語データベースの参照が欠かせません。さらに専門用語だけではなく、SAP 固有の表現などにも留意する必要があります。

このような点から、汎用の機械翻訳エンジンでは分野が一般的すぎるため SAP 製品や関連ドキュメントの翻訳に対応することが難しいと言えます。

しかし、SAP Translation Hub を活用することで、上記のような問題に煩わされることなく、翻訳業務を効率化することができます。


SAP Translation Hub の特徴

膨大な翻訳資産の活用

SAP Translation Hub の強みは、なんといっても SAP が長年にわたり蓄積してきた、さまざまな製品に関する膨大な量の翻訳資産を活用できることにあります。SAP により承認された UI テキストなどの既存の翻訳 (対訳) データおよび SAP 公式の用語集データを元にした機械翻訳エンジンを使用することで、正確性が高く、一貫性のある翻訳を容易に実現することが可能になります。

また、自社で保有する独自の対訳データを使用して費用逓減することもできます。これらの翻訳資産には API 連携によりアクセスすることができます。

SAP 製品 (開発環境) との統合

開発環境がオンプレミスの ABAP システムおよび SAP Web IDE の場合、データのインポートから翻訳、修正 (ポストエディット)、訳文の転送までを容易に行うことができます。また、他の開発環境であっても、ファイルをダウンロードおよびアップロードすることで翻訳ができます。

これにより、翻訳作業のワークフローが大幅に効率化されます。


翻訳品質の評価

出力されたそれぞれの翻訳テキストに対して、品質指数 (Quality Index) が表示されます。これは 0 ~ 100 の数値で表示され、数値が高いほど品質がよいことを意味します。この数値が低い訳文のみを確認および修正するなど、この指数を活用することで効率的に翻訳のレビューを行うことができます


SAP Translation Hub の品質を検証

最も気になるのは品質だと思いますが、実際に検証を行ってみました。評価方法は以下のとおりです。

  • 対象ドキュメント: テストケース (SAP 関連)
  • 対象セグメント数: 100
  • 評価者: SAP 案件の専任翻訳者/チェッカー
  • 方法: “SAP Translation Hub”、”他社翻訳エンジン(A)”、”他社翻訳エンジン(B)” の出力結果を比較し、各セグメントについて品質の良い順に順位をつける。評価時には各エンジン名は評価者には伝えずに作業を依頼。

※出力結果が同じ場合など、順位付けが難しいセグメントについては同順位を許可。

評価結果

次のような評価結果となりました。

最も品質が良いと評価したセグメント数 (エンジン別)

評価者 
SAP Translation Hub
他社翻訳エンジン(A)
他社翻訳エンジン(B)
A
67

31

3
B
61
39
8
C

58

38
5

D

66
54
14
E
63
33
5
F
74
24
5
G
72
28
2
平均
62.86
35.29
6

※上記のとおり同順位を許可しているため、各評価者の合計のセグメント数は 100 にならない場合があります。

評価者によって多少の差はありますが、SAP Translation Hub の出力の品質が一番良いと評価されたセグメント数は平均で65 セグメントで、3 つのエンジンのうち最も品質が高いのは SAP Translation Hub であるという結果になりました。

以下に評価者からの SAP Translation Hub に対するコメントを紹介します。​​​​​​​

  • 解釈のエラーが少ない
  • SAP の用語が他の機械翻訳エンジンと比べて適切に使用されている
  • 半角のかっこの使用、全角文字と半角文字間のスペースの挿入など、SAP のスタイルガイドに準拠している
  • 全体的に日本語として自然な文章が多い
  • 他の機械翻訳エンジンと比較して訳抜けが少ない

このように、用語の正確性のみならず、解釈や訳抜けなどのエラーやスタイルガイドの準拠といった観点でも SAP Translation Hub が最も優れているという評価となりました。


SAP Translation Hub の効果

他国ではすでに SAP Translation Hub を導入している企業があります。こちらのブログ(引用):SAP Translation Hub Helps Companies Address Global Markets More Easily https://news.sap.com/2018/05/sap-translation-hub-helps-companies-address-global-markets-more-easily/によると、複数の企業で以下のような効果が上がっています。

  • 翻訳の品質を維持しつつ、10 ~ 30 % 翻訳のコストを削減
  • 外注していた翻訳を SAP Translation Hub で行うことで、翻訳コストだけでなく管理コストも低減
  • 翻訳に要する時間およびコストを削減、さらに開発およびパイロットテストへのユーザーの参加が可能になり、ロールアウトまでの期間の短縮と顧客満足度の向上を実現



おわりに

SAP Translation Hub を活用することで、SAP に関連する翻訳がより楽に、そして効率的に行えるようになることがおわかりいただけたかと思います。当社はSAP社から認定を受けているランゲージサービス提供社として日本で初めて SAP Translation Hub を導入し、SAP 翻訳に関する新しい課題解決サービスの提供を開始いたしました。お客様の SAP 導入やカスタマイズ、トレーニングマテリアルの翻訳など、SAP に関連する言語についての課題の解決を、SAP Translation Hub をはじめとするテクノロジーの活用により支援いたします。

SAP Language Partner SAP認定翻訳パートナー

川村インターナショナルのSAP翻訳

川村インターナショナルは、2008年にアジア初のSAP Language Partnerとして認定を受けたランゲージサービスプロバイダーです。翌2009年にはPartner of the Year awardも受賞し、約10年もの間SAP社の認定パートナーで有り続けています

15年以上の経験から多数の専門家リソースを抱え、教育し、スケールアウトしてきた実績があります。現在、年間のプロジェクト数は1,000件を超えています。

SAP導入プロジェクト時に発生する通訳者の派遣や、トレーニングマテリアルの翻訳まで、SAPに関連する言語に関する課題は、ぜひ当社にお問い合わせください。

SAP翻訳に関する詳細・お問合せはこちらからご覧いただけます


関連記事

KIマーケティングチーム

KIマーケティングチーム

川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

この記事がお役に立ったらシェアをお願いします!

人気記事ランキング

タグ

アーカイブ