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翻訳者トライアル合格への道 ①

日々拡大する翻訳対象、変化する分量、そして新たに生まれる分野。翻訳会社は常に変化にさらされており、柔軟な対応を求められています。

そんな翻訳会社にとって、翻訳者/チェッカーの増員と育成はまさに生命線。どの翻訳会社でも、新しい翻訳者の採用はもっとも優先度が高い業務として扱われています。

このブログでは、翻訳者トライアルの実情と対策について、翻訳会社のトライアル審査担当者が日々考えていることをお伝えしていこうと考えています。

一回目の今回は、翻訳会社におけるトライアルの位置付けについてあらためて説明したいと思います。

目次[非表示]

  1. 1.トライアルの重要性
  2. 2.TOEIC のスコアはどれくらい重要?
  3. 3.翻訳経験の有無は考慮される?
  4. 4.翻訳者がトライアルから判断すべきこと
  5. 5.翻訳者からのよくある質問
    1. 5.1.Q. トライアル提出の納期交渉は評価にマイナスになる?
    2. 5.2.Q. 返信や対応の内容も評価に含まれている?
    3. 5.3.Q. 内容に関する質問は行ってよい?
    4. 5.4.Q. 一度トライアルに不合格となっているが、再受験は問題ない?
  6. 6.おわりに
  7. 7.川村インターナショナルの翻訳サービス

トライアルの重要性

翻訳会社が翻訳者/チェッカーを採用する手段として、トライアル受験者からの選定は一番大きなチャネルです。

翻訳者トライアルは代表的なもので 1) 翻訳会社の Web サイト上で通年実施されているもの 2) 翻訳関係サイトなどで一時的に実施されるもの、などがありますが、審査内容としては同じように評価されるケースがほとんどです。


TOEIC のスコアはどれくらい重要?

結論から言うと、重要ではありません。

応募条件の中に TOEIC のスコアが記載されていることが多いですが、その条件を大幅に超えているからといって加点されることはほとんどありません。トライアルの出来がもっとも重要視されます。ですから TOEIC のスコアが条件ぎりぎりなどの理由でためらう必要はありません。あくまで翻訳に磨きをかければよいのです。


翻訳経験の有無は考慮される?

翻訳経験は重要な判断基準となります。

対応経験のある分野文書内容をできる限り細かく説明してもらえると参考になります。また、可能であれば実際に担当した文献マニュアルWeb サイトなどを補足すると良いでしょう。

翻訳経験が必須の案件の場合、トライアルの突破は未経験者にとって狭き門となってしまいますが、大規模案件などではトレーニングを実施することを前提として未経験者などを積極的に採用する場合がありますので、こまめにサイトをチェックすることが重要です。


翻訳者がトライアルから判断すべきこと

逆の発想で、受け取ったトライアル原文から翻訳者が判断すべきことを考えてみます。

トライアル原文は、これまでに依頼があった原文のレベルに合わせて作成されていますので、トライアル合格後に自分が翻訳対応可能な内容なのかを確認します。内容が自分の専門分野/知識と合わない場合や、安定したパフォーマンスを出すことが難しそうな場合はトライアルを辞退することも検討してもよいでしょう。また、翻訳原文以外の指定 (翻訳スタイルや用語指定) の有無も確認します。

スタイルガイドや用語集が提供されいてる場合、合格後の案件でも同様の指示がある場合がほとんどですので、スタイルと指定用語の順守は最優先とします。


翻訳者からのよくある質問

トライアルに際し、翻訳者からのよくある質問をまとめてみました。

Q. トライアル提出の納期交渉は評価にマイナスになる?

A. フリーランス翻訳者の中にはすで案件を受け持っている方が多いことは翻訳会社も理解していますので、納期交渉は問題ないことがほとんどです。

交渉を行う際は、ただ遅れると連絡するだけではなく、提出可能な日時を連絡するとよいでしょう。ただし、指定された納期までに提出がない、勝手に納期を変更するなどの行為は減点または不合格となります。


Q. 返信や対応の内容も評価に含まれている?

A. 基本的には評価には含まれていませんが、返信が極端に少ない (受信したのかどうか不明) 、メールの文面が著しくマナーを欠いているなど、今後の業務に支障を来す可能性がある場合は最終決定の際に考慮されることがあります。

また、提出に際した翻訳会社からの要件 (提出方法、ファイル名指定の有無、宛先など) に間違いがある場合も、合格後の円滑なやりとりを阻害するものとして考慮される場合があります。翻訳会社からの指示は必ず確認し、提出は慎重に行いましょう。


Q. 内容に関する質問は行ってよい?

A. 翻訳の進捗を妨げるような場合 (原文ファイルの破損や内容の取り違いなど) は問い合わせしますが、例えば理解が難しい個所がある、分からない単語がある、訳語の選択に悩んでいるなどの質問はすべきではありません。そういった個所への対応もトライアルの一部ととらえるべきです。基本的には調査の上で自己判断し、別途 Excel やテキストメモなどで「申し送り」として調査結果と訳語決定の経緯をまとめ、提出するのが良いでしょう。


Q. 一度トライアルに不合格となっているが、再受験は問題ない?

A. 再受験は全く問題ありません。

ただし、数か月後程度の再受験申し込みはお断りすることがほとんどです。実力の向上には少なくとも半年以上の期間は必要だと考えています。また、再受験までの間になにか経歴に変化があった場合 (スクールの卒業や翻訳経験の増加) 、補足すると良いでしょう。


おわりに

いかかでしたでしょうか。トライアル受験の際の一助になれば幸いです。次回は「実践編」を予定しています。


川村インターナショナルの翻訳サービス

川村インターナショナルでは、翻訳の国際規格である ISO 17100 に基づき、トライアル審査に合格したプロフェッショナルの翻訳者に作業を発注しています。

案件に応じて各分野に精通した最適な方に依頼をし、「品質評価モデル」「翻訳品質機能展開」「PM 品質機能展開」を相互に機能させる TAFT システムで品質を管理することによって、お客様にご満足いただける翻訳サービスの提供を目指しています。

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