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翻訳会社との上手な付き合い方 Vol 5 ~見積り:文字カウント編~

翻訳会社に案件を依頼したい。どうやって依頼をすればいいの?そんな疑問に応えるべく連載中の「翻訳会社との上手な付き合い方」シリーズ、第5弾です。

翻訳会社との上手な付き合い方 Vol 4では、見積り依頼のコツについて概要を解説しました。

今回のVol 5では、見積り時に発生する「文字カウント」について解説いたします。もしかしたら、見積り依頼をした翻訳会社から実際に見積りを受け取って「?」となった経験がある方がいらっしゃるかもしれません。そんな方は、ぜひこの記事に目を通してみてください。疑問やモヤモヤを解消します。

目次[非表示]

  1. 1.見積書を紐解いてみた
  2. 2.文字カウントの方法
  3. 3.「原文換算」と「仕上がり換算」の違い
  4. 4.「原文換算」のメリット
  5. 5.まとめ:文字カウントは「原文換算」の方が安心!

見積書を紐解いてみた

「見積りもらったんだけど、この項目は何?何で計上されているの?」
見積り項目について、お客様からこのようなお問い合わせを受けることがあります。

翻訳会社によって表現方法は異なりますが、翻訳の見積りは基本的に以下の項目で構成されています。

  • 翻訳料金
  • DTP料金
  • 作業費

翻訳料金」は文字どおり翻訳費用から発生します。何文字(何ワード)に対していくら、という計算をします。
DTP料金」はレイアウト費用で、何ページに対していくら、何時間の作業時間に対していくら、という計算をします。「レイアウト不要」の場合、費用は発生しません。
作業費」は翻訳作業やDTP作業等において前処理後処理で工数がかかるものに対しての費用を算出します。前処理・後処理がないものには費用は発生しません。作業費はエンジニアリング費と記載されることもあります。エンジニアリング費の詳細はこちらの記事をご覧ください。

今回はその中で、翻訳料金のベースとなる「文字カウント」について解説します。


文字カウントの方法

上記のとおり、翻訳費用は翻訳対象の文字数/ワード数の量によって変わってきます。
そのため、翻訳会社では見積りの際に文字数をカウントするのですが、文字のカウントでは何が基準になるのでしょうか?

多くの翻訳会社は、文字数ベースで翻訳料金を計算しています。
例えば原文が日本語の場合は以下のようにカウントします。

この文章を翻訳します。    ⇒11文字(日本語は句読点もカウントします)

原文が英語の場合は以下のようなカウント基準になります。

I translate this sentence.      ⇒4ワード

カウントの際は、一般的にはコンピューター支援翻訳(Computer Assisted Translation:CAT)ツールを使用して解析するか、MS-Wordの機能にある「文字カウント」を使用して、文字数(ワード数)を割り出します。

たとえば、Word 2017(※Wordのバージョンにより確認方法は異なります)の文字カウントの場合、Wordの左下に 「○○○○文字」と文字数が表示されるところがあります。文字数のところをクリックすると下図のようなウィンドウが現れます。


日本語の文章であれば、「文字数(スペースを含めない)」の数字を、英語の文章であれば、「単語数」の数字を確認します(※使用するツールにより文字数(単語数)は異なることがあります)。


「原文換算」と「仕上がり換算」の違い

原文換算」と「仕上がり換算」という単語を聞いたことはありますか?

翻訳の見積を作成するとき、原文の文字数(ワード数)を採用するか、納品時(翻訳の仕上がり時)の文字数(ワード数)を採用するか、翻訳会社によって方針が違うことがあります。前者を「原文換算」、後者を「仕上がり換算」と呼んでいますが、その具体的な違いは何でしょう?

原文換算」は、翻訳の原文が欧米言語であれば原文のワード数を1単語に対して、原文が日本語や中国語などであれば原文の文字数を1字に対して単価を定め、翻訳対象箇所の文字数(ワード数)をカウントして翻訳料金とする算出方法です。

一方の「仕上がり換算」では、納品時(翻訳の仕上がり時)の文字数(ワード数)をカウントします。
英語から日本語への翻訳なら、仕上がった和訳文の文字数を、日本語から英語への翻訳なら、仕上がった英訳文のワード数を、それぞれ400字に対し○○円、200ワードで○○円(「400字」「200ワード」といった基準は翻訳会社によって異なります)といったまとまりで翻訳料金を算出する方法です。

かつては紙やFAXで原稿が送られてくることも多く、原文の文字数(ワード数)を調べるためには手で一文字一文字をカウントしなければなりませんでした。
その一方で納品物に関しては、翻訳時にWordなどワープロソフトを使用することで翻訳後の文字カウントが自動的にできる状態だったこともあり、「仕上がり換算」が一般的になったという経緯があります。

現在では、見積りの依頼時から翻訳対象の原稿がMS-WordやPowerPointなどのフォーマットで送られてくるため、翻訳前に文字カウントが可能となり、原文換算」が主流となりました。



「原文換算」のメリット

仕上がり換算」では翻訳終了後でないと正確な文字数が分からないため、翻訳前の見積は概算になり、翻訳終了時に見積り金額と違う金額を請求される、というケースがありました。

その一方で「原文換算」では、翻訳前の文字数で翻訳費用が確定されるため、翻訳作業後に金額が変わることもありません。
翻訳作業前の段階で正確で公正な見積額が割り出せるというのは「原文換算」のメリットです。

「原文換算」については、上記したとおりかつては数取器(カウンター)を使って文字数を数えていたという時代もありました。
しかし現在では、書籍やFAXなど紙原稿しかないという場合でも、OCR(Optical Character Recognition、光学的文字認識)を使うことにより、画像の文字やスキャン原稿でも簡単に文字数(ワード数)をカウントできるようになりました。

翻訳メモリ(蓄積された過去の対訳データ)を使いCATツールで解析を行う場合でも、原文換算が前提になります。
CATツールで文字カウントを行うと、翻訳対象翻訳メモリとどのぐらいの割合で一致しているか、繰り返しはどのぐらいあるのか、新規翻訳箇所はどのぐらいあるのか、どのくらいの分量をメモリから流用できるのか、など、細かに割り出すことができます。また、翻訳メモリとのマッチ率に応じて単価が変動するので、よりコストメリットを得られるようになります。

これも、翻訳前に見積りを行う「原文換算」ならではのメリットです。


まとめ:文字カウントは「原文換算」の方が安心!

いかがでしたでしょうか。翻訳会社から見積りをもらって「モヤッ」とされた経験がある方は、本記事を読んでモヤモヤを解決できたでしょうか。

川村インターナショナルでは、原則的に見積りの際に「原文換算」を採用しています。実際の見積り依頼や、不明な点や疑問点がありましたらこちらからお気軽にお問い合わせください。


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