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英語の会議に臨む前に知っておきたいこと(後編)

ご好評をいただいた「英語の会議に臨むシリーズ」、前回は資料作りについて書きましたが、今回はとうとう後編の「発表編」です!

いくら素晴らしい資料を作っても、それを聞き手にうまく伝えられなければ意味がありません
前回の記事で日本語と英語の違いを考える際に、「言葉は文化を背負う」と説明しましたが、まさにプレゼンこそ文化が色濃く反映されます。
ちょっとした事を心に留めておくだけで印象がガラッと変わります。英語スピーカーの心を少しでもつかめるよう意識してみましょう!

目次[非表示]

  1. 1.本題に入る前に
  2. 2.どう見られるかは大事です
    1. 2.1.服装
    2. 2.2.表情やしぐさ
  3. 3.どう聴いてもらうかも大事です
    1. 3.1.声のトーンとスピード
    2. 3.2.問いかけを活用する
    3. 3.3.終わりよければ全てよし
  4. 4.川村インターナショナルの翻訳サービス

本題に入る前に

余談ですが、皆さん「プレゼン資料」のことを英語で何と呼ぶかご存知ですか?

大体はそのままpresentation materialpresentation slidesもしくは単にslidesと呼ばれますが、deckと言う場合もあります。トランプの束をデッキと呼びますよね。それと一緒です。
だいぶ前ですが、私がある企業を訪問した際、”I’ll show you my deck first” と先方担当者に言われ、「外のデッキに何があるんだろう…」と考えていたら目の前でプレゼンが始まっていたことがあります(笑)。顔から火が出るかと思ったので、私と同じ思いをしないように覚えておいてください!


どう見られるかは大事です

服装

発表の話なのにいきなり服装のこと…?と思われた方もいるかもしれません。でも、やはり大事なのです!
日本でももちろん清潔感や、ピシッと整った着こなしを心掛けているかと思いますが、英語スピーカーの前で意識したいのは(ここでは主にアメリカを想定しています)色合いやデザインです。
日本だと男性でもピンクチェック柄などを取り入れたりしますが、アメリカでは「かわいい」の文化は存在しません。場合によっては子供っぽい印象を与えてしまう可能性があるので、避けたほうが無難かもしれません。

表情やしぐさ

アジア系はただでさえ、表情に乏しいと言われがちです。ハリウッド映画で日本人役が登場する場合も、よくステレオタイプとして描かれるのが無表情で何を考えているのか分からない人だったりします。

あとは日本だと真面目な場では「笑う」ことは不適切なのでは、というイメージを持つかもしれませんが、英語のプレゼンにおいて「笑顔」は大事です。英語のプレゼンではまず始めに笑顔で挨拶をして場をほぐしましょう!緊張すると表情も硬くなってしまうので、最初にニッコリと自己紹介から始めるように意識すると良いと思います。プレゼン上級者ほど、本当に素敵な笑顔を見せるので聞く側も思わず心を許してしまいます。

そして、しぐさも重要です。一度ご自身のプレゼンをビデオに撮ってみて、TED Talksなどのプレゼン動画と比較するのも面白いかもしれません。
日本人は欧米人に比べてジェスチャーが少ないと言われたりしますが、私はそんなことはないと思います。むしろ同じくらい会話にジェスチャーを取り入れていると思うのですが、ジェスチャーの種類が違うんですよね。すごく極端な例を挙げると、自分自身のことを示すときに日本人は顔のほう(鼻のあたり)を指しますが、アメリカでは胸に手を当てます。
しぐさを完ぺきに欧米仕様にすることは難しいですし、その必要もないかと思いますが、少なくとも相手が誤解してしまう、または気にしてしまうようなジェスチャーはなるべく避けたいですよね。顔に手を当てたり、口元を手で覆ったりするのも日本人によく見られるしぐさですが、自信が無さそうに見える可能性があります。手がプレゼンのスケールを示していると想像して、体から離して思いっきり広げてみてください。気分も高揚して熱のこもったプレゼンになるはずです!

どう聴いてもらうかも大事です

声のトーンとスピード

英語圏では声が低いほうが好まれるようですが、今さら生まれ持った声を変えるのは無理なので(笑)、まずはお腹から声を出すようなイメージで落ち着いたトーンを心掛けましょう。マイクがあれば気にする必要はないですが、無い場合は声を張ることも重要です。欧米では大柄な人が多いせいか皆さん総じて声が大きく、普段からそれに慣れてしまっているため、ボソボソと喋っても誰も聞いてくれません。

次に話すスピードですが、上手い話し手ほど、ゆっくり分かりやすく話すのは万国共通ですねメッセージ性が高い話の場合は特にそうです。近年ではオバマ元大統領が良い例だと思います。
ただ、ビジネスの場だと、同じ業界のある程度似た知識を持った方が聴衆だと想定されますので、ゆったりしたスピードだと飽きてしまうかもしれません。また、アメリカではもともとの話すテンポが日本人より速いので、「ゆっくり話そう」などと意識せずにプレゼンしたほうがちょうど良いスピードになるような気がします(笑)。重要な部分で間を入れたり、意図的にテンポを落としたりする時も、日本人相手の時より気持ち速めにしてみましょう。

問いかけを活用する

アメリカではどんなレベルのプレゼンであっても、一方的に情報を与えるだけでなく、途中で質問を投げかける手法がよく使われます。実際に答えてもらうかは別として、問いかけ形式にすることで聞き手の意識をよりプレゼンに向かわせることができますね。セミナーのような場面なら、軽いアンケートみたいな感じで質問に対して手を上げてもらうのもよく見られるパターンです。

あとは、Q&Aの時間はできれば最後に設けたほうが良いでしょう。アメリカでは皆さん積極的に何でも聞きます。むしろプレゼン中でも構わず聞いてくる人もいます。
厄介だと感じるかもしれませんが(笑)、質問をもらうことで新たな話に展開することもありますし、興味を持ってくれている部分が見えることもあるので、そのチャンスを大いに活用すべきと思います。
プレゼン上級者だと、自ら質問を用意しておくこともあるようです。万が一、Q&Aで質問が出なかった場合でも場を持たせることができますし、たとえ質問がちゃんとあったとしてもQ&Aセッションの締めとして使うこともできます。


終わりよければ全てよし

…というわけには行かないかもしれませんが、やはり終わり方は重要です。どんな印象を残して帰るかによって、次に繋がる可能性も変わってくると思います。
日本だと発表の最後のスライドはお礼の言葉を掲載して終わりというパターンが多いような気がするのですが、英語のプレゼンではお礼に加え、連絡先を掲載して口頭でも「何かあれば遠慮なくいつでもご連絡ください」とフォローする形がよく見受けられます。
プレゼンの終わりであっても、それを機に次へ展開するかもしれない始まりでもあるので、未来志向型の終わり方のほうが効果的ですよね。特にアメリカ人は非常に合理的なので、何か形になるかもと思えば、前へどんどん進めます。なので、本当に連絡が来ても驚かないようにしてください(笑)。どんなきっかけでもビジネスがスタートする可能性があり、プレゼンは全ての始まりだと思いますので、もちろん冒頭の挨拶での笑顔も大事ですが、最後はぜひともそれを上回るぐらいの最高の笑顔で終えましょう!

個人的な話で恐縮ですが、私の父は80年代初頭にアメリカの会社に一人で乗り込み、プレゼン終わりに ”Trust me!” という締めの言葉と笑顔で商談を成功させたことがあります。ウソみたいな笑っちゃう話ですが、英語のプレゼン(特にアメリカ)はそれぐらいドラマチックのほうが良い場合もあります。場数を十分に踏むまでは思い切ったことをするのは難しいかと思いますが、ポジティブな雰囲気をどんどん出したほうが好まれる文化なのは間違いないです。

皆さんが英語の会議に臨む際に少しでも役立てば幸いです。そしてプレゼンの成功を心より祈っています!


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