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第10回改善事例発表会を開催しました

先日10回目の改善事例発表会が終了し、今回は特に社員の成長が感じられました。もちろん社員の間で品質管理に関する理解度や改善意欲に差はありますが、やっと社内に改善の文化が根付いてきていると感じました。

2008年に品質工学の先生から「翻訳会社における品質管理」についての第1回指導を受け、2010年に「第1回改善事例発表」を開催して以来、長い12年でした。

目次[非表示]

  1. 1.改善事例発表会とは
  2. 2.審査基準
  3. 3.第10回改善事例発表会の発表内容について
  4. 4.改善に取り組んだ12年
  5. 5.改善事例発表会の役割
  6. 6.まとめ

改善事例発表会とは

弊社では全社員が入社時に『品質管理の基本』というテキストで品質管理の基礎を学び、その後試験を受けることが義務付けられています。試験は合格するまで受け続けなければなりません。そして、各年度、社員全員がその年の改善目標を立てますが、この改善目標の実施状況について20分程度のプレゼンをして発表するのが「改善事例発表会」です。プレゼンターは4~5名、審査員は品質工学の先生と役員を含め5名です。発表会終了後、全プレゼンターに賞金や賞品が出ます。

今回は改善事例発表10回目という節目の年なので、関西香港北米からもほとんどの社員が参加し、参加者も各1票の投票権をもちました。

審査員の評価点と社員が一番いいと思ったプレゼンターに対する1票を足して、優勝、準優勝以下を決めました。表彰式の後に、恒例の品質工学の先生のミニ講義があり、最後は懇親会。今年はオフィスリニューアル後で、皆居心地がよかったのか、遅くまで笑い声が絶えなかったようです。


審査基準

すべて10段階評価で、評価項目は6つあります。1. 改善の進捗度2. 改善効果の程度3. 改善の展開推進度4. 改善意欲5. 改善の進め方、そして6. 発表の様子です。例えば、1.では要因分析段階なのか、歯止めまで完了しているのか、2. では売上、利益、コスト等に対する貢献度について、3.ではQCの7つ道具が使われているのか、対策と効果がつながっているのか、4.は積極的か、QCの勉強をしているのか、5.は一人で黙々とやっているのか、周囲を巻き込んでいるのか、6.では資料は分かりやすいか、プレゼンは堂々としているのか等です。


第10回改善事例発表会の発表内容について

今回の改善事例発表会は全体的にレベルが高かったと思いますが、今回の優勝、準優勝のプレゼンの概略は以下の通りです。

優勝したプレゼンは、マーケティングに関するもので、基礎知識編課題認識+分析編計画立案+実施編レビュー編最後にお客様の声という構成になっていました。QC7つ道具を使って昨年度の実績と課題を分析しています。そこから2018年度の目標と施策を導き出して実施しました。レビュー編ではグラフを使って実施状況の結果と評価を行っていて、良かった点、これからの課題とさらなる改善の目標を導き出しています。PDCAを常に回して、改善を積み重ねることの意味を十分理解し、実行していることがわかり、プレゼンも堂々としていました。


準優勝のプレゼンは、大規模プロジェクトの効率化に関するプレゼンでした。まず案件概要を説明し、2018年度の目標設定、目標達成のための施策、弊社が開発した品質管理ツールを使用してエラー分析を行い、標準偏差を出して品質評価フローを決定しました。その後結果の考察が行われ、次の目標につなげています。品質工学の先生の指導を受け、地道にデータを積み重ねた素晴らしいプレゼンでした。ストーリーの作り方にやや課題があったとしても、優勝と準優勝の得点は僅差だったはずです。


改善に取り組んだ12年

改善について学び始めてから12年が過ぎました。製品品質の改善だけではなく経営品質の改善にも取り組んだ12年でした。一番身に滲みたのは、改善の文化を創りあげるのには時間がかかり、崩れるのは簡単だということです。

2008年に始まった品質工学の先生との定期的勉強会は約5年続きました。もうこれで大丈夫だろうと思い、勉強会を中止しました。すると、気が付かないうちに社内の緊張感がゆるみ、横断品質管理組織も徐々に機能しなくなり、ある年の改善事例発表会の質が目に見えて落ちました。どのプレゼンターも品質管理に関する知識不足で、優勝者を選ぶのに苦労した覚えがおります。同時期、わずかですがクレームの数が増えました。

こういう事態の反省をふまえて、再び先生のご指導をあおぎ、現在では、社員全員がある程度品質管理と改善の必要性について理解し、その習慣も根付いてきています。


改善事例発表会の役割

改善には常にデータが必要で、データなしに改善はできません。データを取るのは現場の社員です。日々忙しい仕事の中で、データを取って、分析するのには時間がかかります。改善すれば仕事が楽になることがわかっていても、忙しさに追われて、データを取るのがおろそかになります。現場で改善を行う社員にとっては、改善とは目先の仕事以外の余分な仕事が増えることであり、やらなくても日々は過ぎていくのです。そのために、上長は社員一人ひとりの改善目標達成のための指導をし、「改善事例発表会」という日頃の努力の成果を発表する場を設けているのです。これらのことは会社が存続する限り継続していくべきだと考えています。


まとめ

第10回改善事例発表会も終わり、また新たな10年が始まりました。あらゆる面でテクノロジーの果たす役割が大きくなってきています。幸い弊社には機械翻訳ツールに関するノウハウが蓄積しています。この弊社の強みと改善の文化とを融合し、さらなる前進の10年をめざしていきたいと思っています。


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川村みどり

川村みどり

株式会社川村インターナショナル 代表取締役 慶應義塾大学卒、米国留学、コンピュータ商社勤務後、1986年(株)川村インターナショナル創業。1990年代に航空機関連の翻訳を開始、その後IT分野の翻訳に参入。2008年ドイツSAP社認定パートナーに選定され、同時期に外部専門家指導のもとで品質改善活動を開始。2011年品質管理システムに関し東京都「経営革新計画」承認取得、2009年ドイツSAP社Partner of the Year受賞。2013年ISMS(ISO27001)、2016年ISO17100認証取得、2018年「みんなの自動翻訳@KI(商用版)」が世界発信コンペティション特別賞を受賞。 元(一社)日本翻訳連盟理事、元AAMT(アジア太平洋機械翻訳協会)監事

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