すっきりしない日本語の原因

文書作成時に誤字脱字などのチェックを行ったにもかかわらず、読み返してみると雑多な印象を受けたり、なんとなく違和感を覚えた経験はありませんか?

 

英文和訳を行う際、翻訳後にチェック工程で原文の英語通りの日本語に訳出されているか、誤字脱字がないか、などのチェックを行いますが、それだけでは検出できない違和感の原因があります。それは、表現の揺れや誤用されている日本語が文章に含まれているからです。

 

ここでは表現が揺れやすい日本語、間違って使いがちな日本語の例をご紹介します。

表現が揺れやすい日本語

表現や書き方が揺れやすい日本語として、ここでは以下の3種を例に挙げてご紹介します。

ひらがな/漢字の混在

まずは、ひらがなと漢字の混在表記です。混在していてももちろん問題なく読むことができますが、前後の文章に並んで出てくると統一感に欠ける印象を与えます。以下のように頻出する言葉はあらかじめ書き方を統一しておくと文章作成がしやすく、後から修正を行う手間も省けます。

また/又

 

もとの/元の

 

および/及び

 

できる/出来る

 

さまざま/様々

 

~のとおり/~の通り

 

ください/下さい

 

漢字の表記/送り仮名の表記

漢字、送り仮名の表記についても複数の表現が使われるものがあります。以下はよく混在しがちなものの例です。表記自体はすべて誤りではありませんが、文書の種類によっては決まった表現を使用する必要があります

月/〇月/〇

 

国/〇国/〇

 

所/〇所/〇

 

行う/行

 

お問せ/お問合せ

 

扱い/取扱い

 

カタカナの長音

カタカナ表記の語尾に長音(音引き)が付く言葉も同様にどちらが正しい表記と決まっているわけではありません。 

モニタ/モニタ

 

カテゴリ/カテゴリ

 

フォルダ/フォルダ

 

アダプタ/アダプタ

 

エディタ/エディタ

 

コーディネータ/コーディネータ

 

一般的には3音以上の言葉で末尾に付く場合は長音を省略可能とされていますので、上記で上げた例はすべて省略可能なパターンとなります。

逆に2音以下で省略できないものの例としては、以下の言葉があります。

ユーザー、オーダー、カバー、シャワー

 

文書の種類によっては表記ルールが決まっていたり、会社によって適用されるスタイルのルールが異なるため、確認の上、統一が必要です。

 

上記で挙げた揺れが発生しやすい表現は、翻訳作業時にはあらかじめスタイルガイドなどルールを作成した上で作業を行うことで表現を統一します。また、表記の揺れはチェックツールを使って検出することも可能です。Wordの校正機能でもこういった不統一の検出が可能です。

 

間違って使いがちな日本語

次に、誤って書かれている言葉、意味を取り違えて使われがちな言葉です。これはツールなどで検出できないものもあるため注意が必要です。

誤って書かれやすい言葉

以下、誤って書かれやすいカタカナ表記の例です。どちらが正しい表記かわかりますか?

シミュレーション/シュミレーション(simulation)

 

コミュニケーション/コミニュケーション(communication)

 

エキシビション/エキシビジョン(exhibition)

 

バッチ/バッジ(batch)

 

正しい表記はすべて左側の表記です。右側も一件間違っていないように見えてしまいますが、誤用されている事が多い表記であり、正しい表記は左側です。

 

同音異義語

漢字変換の際、誤変換しやすい同音異義語があります。意味をきちんと理解していてもうっかり変換ミスしてしまう場合や、意味を正しく理解できていないために誤って使用してしまう場合もあります。誤変換で混在しやすい言葉を例としてご紹介します。

 

制作/製作(せいさく)

 

それぞれ辞書では以下の通り記載されています。(出典:三省堂Web Dictionary

制作:〈スル〉(芸術)作品を作ること.

製作:〈スル〉物品を作ること.

「制作」は「(芸術)作品を作る」ことですので、絵画や音楽、またはポスターやウェブサイトなど、何かを創作する場合はこちらが使われます。

また、「製作」は「物品を作る」となっていますので、「制作」に対してメーカーなどで工業的にモノを作る場合には「製作」が使われます。

 

他にも間違えやすい同音異義語は以下のような例があります。

「移動/異動」、「鑑賞/観賞」、「既成/既製」、「校正/較正」、「平行/平衡」

 

正しく意味を理解して文書内で統一した表現を使用できていますか?あやふやなものは、実際に使用するタイミングで内容に沿った言葉が使われているかを確認してみてください。

 

意味を取り違えやすい言葉

 

おざなり/なおざり

 

よく聞く言葉ですが、こちらも2つの意味の違いをきちんと把握できないまま使われていることがあります。ふたたび辞書で意味を調べてみます。

 おざなり:〈名・ダ〉当座の間に合わせ.

なおざり:〈名・ダ〉いいかげん.▼~にする(類)おろそか

 

「おざなりな対応をした/なおざりな対応をした」という場合、どちらもいい加減な対応をした、という意味合いになりますが、「おざなり」は当座の間に合わせ、つまり何かしらの対応は行ったが、その場しのぎの対応をした、という意味になります。一方、「なおざり」はいいかげんと辞書に記載されており、類義語としておろそか、とあります。このことから対応自体をおろそかにする、という意味も含まれます。

 

文脈によっては文章のニュアンスが変わってしまうこともあるため、注意して使い分ける必要があります。

 

いかがでしたでしょうか?

読者がすっきりと読みやすい文章を作成するため、誤字脱字などのエラーだけでなく、表現の揺れや日本語表現にも今一度注意を向けてみてください。


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