語源の奥深さ

アメリカ出身の筆者が語源に興味を持ったのは来日してからです。

タバコやコーヒーは英語の発音と同じ意味でよく使われていることは分かりましたが、ある日、友人の子供に「英語でコーヒーってなんて言うんですか?」と聞かれました。「発音はちょっと違うけど、そのままコーヒーだよ」と答えたら、その子の顔が若干曇って「なんでアメリカ人は日本語使うんですか?」とまた質問されました。

「え?いやいや、英語だよ、それは英単語だ。」

「違います。だってほら、コーヒーはちゃんと漢字もあるから日本語です!」と言いながら、「珈琲」を紙に書いて見せてくれました。

 

この時までは、「珈琲」や「煙草」の存在を知らなかったため、非常にびっくりしてから、「コーヒー」の元は英語にあると説明し、何とか理解してもらえました。

あれから、他に面白い意外な語源を持っている言葉はあるかなと思って調べてみました。ここでは日本語では一つ、英語では三つの言葉の語源を紹介したいと思います。

 

さよならとは

まずは日本語の「さよなら」です。この言葉は日本のソフトパワーのおかげで米国や英国でもよく知られている言葉なのです。

日本語や日本のポップカルチャーに一切興味のない一般の方々でも、言われたらある程度は通じると思います。

 

日本語の勉強をしている生徒たちは、「さよなら」イコール「Goodbye」と学んで、より深いニュアンスがあるとしたら、「誰かと長い間に離れてしまう時によく使われる言葉」とよく言われます。英語で例えるなら、「Farewell」に等しいです。

しかし、「さよなら」はよく学校などで、下校の時間に、先生が生徒に向かって「さよなら」と言い、生徒達は何気なく「さよなら」と返事して帰ります。

よく考えたら、これは長い間の別れ際でもなく、次の日にはまた登校しますので、「また明日」などの方が妥当だとずっと思っていました。

 

不思議に思って「さよなら」の語源を調べると、その語源は「左様ならば」「然らば」となります。別れの挨拶としては意味を成すのですが、単なる「Goodbye」よりは、接続詞で「そうであるならば。。。」という意味にはなります。

それがそうだとしても、何故学校で使われているのかは自分にはまだ不思議です。。。

朝の飯を壊せば

最初に紹介したい英単語は「Breakfast」という、誰もが聞いたことのある一般的な言葉です。皆さんは「朝食」として教わったと思います。

確かに、通常「Breakfast」は朝に取る食事のため、「朝食」は妥当な訳し方なのですが、「Breakfast」の真の意味は「その日の最初の食事」です。そのため、朝にでも、午後にでも、夜にでも、その日の最初に取る食事はいつ食べても正式的に言うと、それが「Breakfast」なのです。

 

では、何故でしょうか?「Breakfast」と言う言葉は15世紀に初めて使われたと言われています。「Breakfast」は一つの言葉として現れたのではなく、二つの言葉の融合によって作られた言葉なのです。

その二つの言葉は、「Break(壊す/切断する)、と「Fast(絶食する)」です。簡単に言うと、絶食(Fast)を切断する(Break)のは「Breakfast」でその日の最初の食事なのです。

水と命

二番目に紹介する英単語はBreakfastと似たようなケースなのですが、皆様は「Whiskey」という言葉を知っているでしょうか。

日本語ではそのままウイスキーになりますが、これも二つの言葉で出来た英単語です。

ただ、Breakfastとは違い、この二つの言葉はスコットランド由来のため、融合された言葉(「Usquebae」)はあまり英語とは似ていません。

この「Usquebae」(発音は「アスクワビー」)の語源は二つのゲール語の言葉にあり、その二つは「Uisce」と「Bethu」です。ちなみに、「Uisce」の意味は「水」で、「Bethu」は「生命」のため、「Whiskey」の元の意味は「生命の水」となります。

伯食(はくしょく)~伯爵の食事~

最後に紹介したい英単語は筆者の一番好きな、おそらく誰もが聞いたことのある、「Sandwich」です。

「Breakfast」や「Whiskey」とは違い、「Sandwich」は二つの言葉の融合でもなく、特別な意味も潜んでいません。

 

現代とは違い18世紀には、サンドイッチと言えば、誰もがパンに挟んでいる肉や野菜をイメージしたことはないと思います。

この言葉の由来は、ある伯爵が賭博中毒になってから生まれたと言われています。その伯爵の名前はジョンモンタギューで、彼は第四代目のサンドイッチ伯爵でした。このモンタギューさんは、あまりにも賭博が好きすぎました。カードの賭博は特にお好みだそうで、食事をとるために休むことさえせずに、やりつづけました。

18世紀には軽食やスナック菓子はもちろんなく、伯爵が食事をとるなら数コースのかなり豪華な食事になるのは普通でした。言われるまでもないと思いますが、ナイフとフォークを持ちながら、三本目の腕がなければ、カードも持つことができません。そこで、ある日、食事の時間になったら彼が近侍に「パン二枚に挟んだ肉を持って来い」と命じたと言われています。周りの貴族達が、彼が食べている軽食の利便性に気づいてしまい、「サンドイッチのにする!」と頼み始めて、私たちが現代によく食べている「Sandwich」は生まれました。

まとめ

どうでしょうか。

語源の面白さや奥深さを少しは感じていただけたでしょうか。こうやって、お馴染みの英語や日本語、そして和製英語の語源を気軽に調べてみると、面白い背景や深いニュアンスが出てくるかもしれません。

時間がある時は少し検索してみてください。いつも使っている言葉が新しい視点から見える可能性は高いと思います。


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