その言葉、そのまま使っても大丈夫?

~時代変化で変わるNGワード~

昨今、性別や人種における差別に焦点が当てられることが増えてきました。2020年にアメリカを中心としたBlack Lives Matter(ブラック・ライブス・マター)をスローガンとする人種差別抗議運動が一段と活発になった中、差別的と思われる言葉を避ける動きが出てきています。

こういった風潮が翻訳にも影響するでしょうか?日本語で聞きなれた表現でも直訳や避けた方がよい用語があります。いくつか例をご紹介します。

Blacklist(ブラックリスト)/Whitelist(ホワイトリスト)

よく例に挙げられるのはBlacklist(ブラックリスト)/Whitelist(ホワイトリスト)です。人種差別を喚起する表現のため、代わりに以下のような用語に置き換えられます。

※代わりに使用する用語は、会社や団体によって異なるためご注意ください。

 差別的と思われる表現 好ましいと思われる置き換え表現 
Blacklist(ブラックリスト) →  Blocklist(ブロックリスト)、Denylist(拒否リスト)
Whitelist(ホワイトリスト) Safelist(セーフリスト)、Allowlist(許可リスト)

Master(主人)/Slave(奴隷)

エンジニアたちがソースコードなどに使用する言葉にもこういった言葉があります。Master(主人)/Slave(奴隷)は主従関係を表す言葉で、奴隷制度を連想させるため、以下のような用語に置き換えられます。

 差別的と思われる表現 好ましいと思われる置き換え表現 
 Master(主人) →  Leader(リーダー)、Primary(プライマリー)
 Slave(奴隷)

Follower(フォロワー)、Replica(レプリカ)/Standby(スタンバイ)

グローバル企業の動向は?

グローバルに展開する企業では、数年前から差別的と思われる表現を置き換える動きがあります。

2020年にはTwitter社のエンジニアが上述のBlacklist/Whitelist、Master/Slaveを含めた以下の用語を置き換える取り組みを始めている、とツイートしています。

 差別的と思われる表現 好ましいと思われる置き換え表現 
 Grandfathered  Legacy status

 Gendered pronouns

(性別に関連する代名詞:guysなど)

 Folks, people, you all, y‘all

 Gendered pronouns

(性別に関連する代名詞:he/she, him/her, his/herなど)

 They, them, their
 Man hours   Person hours, Engineer hours
 Sanity check  Quick check, Confidence check, Coherence check
 Dummy value  Placeholder value, Sample value

日本における差別意識

これらの用語は差別的な表現という認識を持たれることなく、今まで日本や世界各国でも広く使用されていました。日本では人種差別が大きく取り上げられることは他国に比べて少ないですが、決して人種差別がなかった訳ではありません。ここに挙げた用語だけでなく、日本語の中にも、無意識のうちに人種や性別、マイノリティーなどの問題に関連して誰かに不快感を与えるような言葉があるかもしれません。

翻訳時の注意点

先述のとおり差別的と思われる用語を置き換える動きが始まっていますが、すべての文章に適用されているわけではありません。そのため、翻訳対象にこういった用語が含まれている場合は注意が必要です。また、過去に作成された資料などにもこういった用語が含まれていることがありますが、読者に誤解や不快感を与えることのないよう、時代の流れに合わせて避けるべき表現を知り、翻訳する言葉を適切に選ぶことが大切です。

まとめ

言葉は各国の歴史や文化的な背景によって生まれ、長きにわたり広く使われてきた言い回しなども含まれるため、適切な表現が何かということを明確に定めるのは難しいかもしれません。

しかし、より多くの国の人、異なる人種や社会背景を持った人とビジネスやインターネットでの交流などを通じて繋がるようになった現代では特に、言葉の意味やルーツを一歩立ち止まって考えることが必要です。


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