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多言語対応に使える東京都の補助金【令和8年度版】

作成者: KIマーケティングチーム|Jul 8, 2026 5:00:00 AM

多言語対応、必要とわかっていても予算が通らない

宿泊施設や観光施設、体験型サービスを運営する事業者にとって、外国人旅行者への多言語対応は優先度の高い課題のひとつです。ウェブサイト、施設内の案内表示、スタッフとのやりとり――言語の壁は旅行者体験の質に直接影響し、口コミやリピートにも関わってきます。

観光庁が2025年11月〜2026年1月に実施した令和7年度「訪日外国人旅行者の受入環境に関する調査」(有効回答4,110件)では、旅行中に困ったこととして「施設等のスタッフとのコミュニケーション(英語が通じない等)」を挙げた回答者は15.4%に上り、「多言語表示の少なさ・分かりにくさ」も引き続き課題として挙げられています(出典:観光庁 報道発表 2026年4月)。対応が進んでいる施設とそうでない施設の差は、旅行者の満足度に表れています。

とはいえ、「やるべきはわかっているが、予算が確保できない」というのが多くの担当者の実情ではないでしょうか。

東京都産業労働局では、観光事業者向けにさまざまな補助金・支援事業を実施しています(出典:東京都産業労働局「補助金等の各種支援事業」)。そのなかでも多言語対応に活用しやすいのが「インバウンド対応力強化支援事業補助金」です。東京都と東京観光財団が実施するこの補助金は、多言語対応に要する費用の最大3分の2を補助する制度で、令和4年度(2022年度)から毎年継続して実施されており、令和8年度(2026年度)も現在受付中です。

本記事では、この補助金の概要と申請にあたっての基本的な情報をご紹介します。

 

この記事でわかること

- 多言語対応が補助の対象になるかどうか

- 補助の対象となる具体的な取り組み

- 令和8年度の補助率・上限額・対象事業の概要

- 宿泊・体験・観光施設など、どんな事業者が申請できるか

- インバウンド対応を検討する際に参考になるデータ

- 申請の流れと、見落としやすい注意点

 

「インバウンド対応力強化支援事業補助金」の概要

名称:インバウンド対応力強化支援事業補助金(令和8年度)

運営:公益財団法人 東京観光財団(東京都産業労働局 観光部 受入環境課との連携事業)

開始:令和4年度(2022年度)〜 毎年継続実施中

都内の観光関連事業者が、訪都外国人旅行者の利便性・快適性向上を目的として新たに実施する取り組みを資金面から支援する制度です(出典:公益財団法人 東京観光財団 公式ページ)。

 

「インバウンド対応力強化支援事業補助金」に関するよくある質問(FAQ)

 

参考情報:インバウンド対応に向けて

ここでは、インバウンド対応を検討する際に参考にしていただける情報をいくつかご紹介します。

訪日外国人旅行者数・消費額

2025年の訪日外国人旅行者数は約4,268万人(前年比+15.8%)で過去最高を更新。旅行消費額は9兆4,549億円と3年連続で過去最高を記録しています(出典:JNTO 2025年確定値、観光庁 2026年4月発表)。宿泊・飲食・交通などサービス消費が全体の7割を占め、「滞在・体験型」消費へのシフトが続いています。

旅行者が直面する言語の問題

観光庁の令和7年度調査(2026年4月発表)では、「スタッフとのコミュニケーションに困った」と回答した旅行者が15.4%。困った際にICTツール(翻訳アプリなど)で対応した旅行者が68%を占めており、旅行者頼みの現状が浮かびます。言語の壁は旅行体験の品質に直結しているため、施設側の多言語整備は、体験品質の向上による競合施設との差別化につながります。

多言語対応では「伝わるための設計」も重要

外国人旅行者への情報提供では、日本語をそのまま他言語へ翻訳するだけでは十分でない場合があります。日本では一般的な表現であっても、海外からの旅行者には意味や背景が伝わりにくいことがあるためです。そのため、多言語対応では、文化や利用習慣の異なる旅行者にも理解しやすい表現への言い換え、写真や図などの視覚的情報の活用、言語ごとの特性を踏まえた調整など、「伝わるための設計」をあわせて検討することが重要です。

「何語に翻訳するか」だけでなく、「利用者が迷わず理解できるか」という視点から情報を整理することで、より効果的な多言語対応につながります。

工程には余裕を持って

補助金は、交付決定後に事業を開始する必要があります。さらに、事業の実施後には実績報告を行う必要もあるため、見積もり取得から報告完了までの工程を年度内に収めるには、早めの着手が現実的です。補助対象期間は令和9年3月31日までです。

次のセクションで、申請の流れをまとめます。

 

申請の流れ:5つのステップ

STEP 1|申請の手引きを確認する

東京観光財団の公式ページから「申請の手引き」をダウンロードし、自施設が補助対象者に該当するか、想定する取り組みが補助対象事業に含まれるかを確認してください。

STEP 2|整備内容を自ら整理する

「何を、何語で、どの範囲で整備するか」を事業者自身が整理します。手順が多く感じるかもしれませんが、申請の流れ自体はシンプルです。なお、申請書類の作成や相見積もりの取得を発注予定先の企業が代行することは認められていないため、この段階は自社主導で進める必要があります。整備内容の洗い出しや優先順位の整理に迷う場合は、サービス提供会社に事前相談するのは問題ありません。

川村インターナショナルでも、申請前の内容整理のご相談をお受けしています。

■ お問い合わせ

STEP 3|複数社から相見積もりを取得する

補助金申請には、複数社からの見積書の取得が必要です。対応言語・納期・実績などを確認しながら比較検討することで、自施設に合ったサービスを選びやすくなります。申請書類の提出はその後になるため、まず見積もりを取ることが実質的な最初の一歩です。

STEP 4|交付申請書を提出する

郵送(簡易書留)またはJグランツ(電子申請)で申請書類を提出します。Jグランツの利用には法人の共通認証システムであるGビズIDプライムのアカウントが必要です。取得に時間がかかる場合があるため、早めに準備しておきましょう。

STEP 5|交付決定後に事業を開始する

交付決定の通知が届いたら、事業に着手します。通知の到着前に発注・購入した費用は補助対象外となるため、ご注意ください。また、事業終了後には実績報告の提出が必要です。「交付決定→発注→事業実施→実績報告」の順序を守ることが前提条件となります。

 

申請前に確認しておきたいこと

申請を検討される場合は、以下の点にご注意ください。

  • 対象は東京都内の観光関連事業者のみです(都外事業者は対象外)。

  • 交付決定前の発注・購入・着工は補助対象外となります。

  • 発注予定先企業による代行申請・代行見積もりはできません(交付取り消しになります)。

  • 補助金申請に手数料は一切かかりません(手数料を求める業者への注意を公式サイトでも呼びかけています)。

  • 予算額に達し次第、年度内でも受付終了となります。

 

問い合わせ先・公式情報

事業全般について

東京都 産業労働局 観光部 受入環境課

申請方法・書類について

公益財団法人 東京観光財団 観光産業振興部 観光インフラ整備課
公式ページ(交付要綱・申請の手引き・様式一式)

 

まとめ

「インバウンド対応力強化支援事業補助金」では、多言語対応は補助率が高く設定されており、取り組みの内容や事業者の種別によって補助額が変わります。令和4年度から毎年継続している制度で、令和8年度(2026年度)も受付中です。

補助率・上限額・対象要件の詳細は公式ページの「申請の手引き」でご確認ください。まずは自施設の条件を確認し、「何をどの言語で整備するか」を整理するところから始められることをお勧めします。

 

 参考・出典 

東京都産業労働局「補助金等の各種支援事業」

公益財団法人 東京観光財団「インバウンド対応力強化支援事業補助金(令和8年度)

日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」2025年推計値

観光庁「訪日外国人の消費動向」2025 年 年次報告書(2026年3月発表)

観光庁「訪日外国人旅行者の受入環境に関する調査」令和7年度(2026年4月発表)

 

川村インターナショナルの翻訳サービス

川村インターナショナルでは、ウェブサイト・施設案内・動画・パンフレットなど観光向けの多言語化サービスをご提供しています。補助金申請と並行して進められますので、申請のための情報の整理の段階から、ぜひお気軽にご相談ください。