翻訳・機械翻訳・ポストエディットなど翻訳に関連する情報を発信
自然な英文にするために 和文英訳3つのポイント

自然な英文にするために~和文英訳3つのポイント~

日本語を英語に翻訳する際、自然な英文にしたい!でもどこかしっくりこない。なんとなく不自然な英語になってしまう。そんな経験はありませんか?

日本語と英語では、もちろん文法が異なりますし、作文の裏側にある発想も異なります。
そのため、日本語をそのまま英語にしてしまうと、不自然な英文になってしまうことがよくあります。

今回は、和文英訳において、自然な英文にするために気を付けるべき3つのポイントを集めてみました。

  ポストエディットサービス | 翻訳会社川村インターナショナル 年間1000万文字・500万ワード以上のポストエディット対応実績と、豊富な経験・ノウハウに基づき、納得の翻訳品質・費用・納期(QCD)の最適化を実現。プロの手による編集と充実したサポートで安心の「機械翻訳+ポストエディット」を提供します。<無償サンプル作成・お見積もり無料> 翻訳会社川村インターナショナル

​​​​​​​

目次[非表示]

  1. 1.名詞を乱用しない
  2. 2.主語を頭でっかちにしない
  3. 3.代名詞を乱用しない
  4. 4.まとめ
  5. 5.川村インターナショナルの翻訳サービス

名詞を乱用しない

日本語では名詞が比較的好まれます。例えば、このような文をみたことがありますか?

中核事業の更なる事業領域拡大と販売網拡大を目指します。

名詞がたくさん使用されていますが、この文を見てもさほど違和感を抱かないと思います。

では、この文を英語にしてみるとどうでしょう。

We are aiming for expansion of the scale and sales channel of our core business.

前置詞を使った名詞による後置修飾で名詞が連続し(下線部)、なんだか不自然でまどろっこしいです。

それでは、日本語では名詞になっている単語を、動詞にして訳出してみるとどうでしょうか。

We are aiming to expand the scale and sales channel of our core business.

「拡大」を名詞の「expansion」ではなく動詞の「expand」で訳出してみると、名詞が連続していた下線部が短くなり、それだけでだいぶスッキリしました。


「拡大する」もそうですが、日本語では漢語動詞の場合、「する」をとって名詞にしてしまった方がすっきりとします。
その一方で、英語は動詞が名詞の元となっているケースが多いため、動詞にしてしまった方が簡潔で自然な英文になります。(expand→expansion)
実際、名詞を乱用してしまうと、修飾だらけの非常に読みにくい文になるため、英文ライティングでも動詞を名詞化して使わないことが推奨されています。

この違いを踏まえて、英語にしたい日本語で名詞がたくさん使われている場合は、訳出する際に動詞にしてみると、より自然な訳文に近づけることができるかもしれません。

主語を頭でっかちにしない

二つ目のポイントは「主語を頭でっかちにしない」です。次の例文を見てみましょう。

健康のために禁煙する人の数が増えています。

そのままの文構造で訳出すると、以下のようになります。

The number of people who refrain from smoking for their health is increasing.

この文を見ると、主部(下線部)が非常に長くなり、動詞(赤字)が文末の近くにきているのがわかると思います。

日本語は文の構造上、動詞が文末に来るため、主部の長さは取り沙汰されません。むしろ、日本語では主部が巨大な文をよく見かけます。
一方で、英語では、このような主部が長い文は好まれません。主部をできるだけ短くして、動詞を文の早い段階で出してしまうことが望ましいです。

これを踏まえて、主語ができるだけ短くなるように書き換えてみました。

An increasing number of people now refrain from smoking for their health.

いかがでしょうか。動詞の位置が変わっただけで、英文の印象もずいぶん変わって見えるとおもいます。このように、日本語を英語に訳するときは、頭でっかちな日本語の文に引きずられず、できるだけ主部の簡潔な文構造になるように意識してみるとよいでしょう。


代名詞を乱用しない

3つ目のポイントは「代名詞を乱用しない」です。


英語では文の構造上、主語が必ず記載されます。その一方で日本語では往々にして主語が省略されるので、毎回英文に記述された主語をそのまま訳出すると、日本語ではまどろっこしくなります。そのため、以前の記事では英文和訳をする際に、必要に応じて主語を省略するテクニックをご紹介しました。

和文英訳の場合はその逆です。日本語では、主語が省略されますが、英語では主語を省略したまま文を作れないので、主語を補う必要があります。
受動態を使ったりしてある程度ごまかすことはできますが、受動態を使いすぎることも英語では好まれませんので、場合によっては、原文に記載のない情報を補う必要があります。

ここで注意をすべきなのが「代名詞を乱用しない」ということです。”it”や”they”といった代名詞を不用意に乱用すると、不自然な英語になるどころか、読み手に誤解を与えかねません。

たとえば朝日新聞のこちらの記事(引用:朝日新聞デジタル はやぶさ2の探査ロボ、リュウグウ着陸に成功 世界初)から、以下の例文を見てみましょう。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」から分離した小型探査ロボット2台が、小惑星「リュウグウ」に着陸したと発表した。

(中略)

JAXAによると、2台の探査ロボ「ミネルバ2―1」は21日午後、リュウグウの高度55メートルで分離。重力が極めて小さいため、着地した勢いで再び飛び去らないよう、秒速数センチでゆっくりと接近した。

リュウグウに着陸後、内蔵モーターを回転させた反動を使い、地表を跳ねて移動し、カラー画像を撮影した。

最後の2文について、主語が省略されているのがお分かりいただけると思います。英語に訳出する際は、この省略された主語を補わなければなりません

文脈から、2文の主語は「ミネルバ2―1」であることが分かるのですが、2文ともで「MINERVA-II1」と訳出するとそれはくどいですし、2文とも「they」で訳出すると、英語として不自然ですし、少し不親切です。

それでは、どうすればよいのでしょうか?一般的に英語は「繰り返しを嫌う言語」とされており、同じ表現や単語が何度も何度も使われると不自然であるとされます。
そのため、省略された1文目と2文目で表現を変えながら主語を補うと自然になります。

幸いにも、この記事では「ミネルバ2―1」が「小型探査ロボット」であることが冒頭で明記されていますので、1文目と2文目で「robots」「rovers」「they」など表現を変えて訳出するとよいでしょう。

特に長い文書では、文中に主体が多く出てきて「they」が何を指しているか分からない、ということも起こり得ます。代名詞だけで終わらず、できるだけ具体的な語を補うとよいでしょう。


まとめ

ある言語を異なる文化の中で生まれた別の言語に訳出するには、文法だけでなくそれぞれの言語の癖や特徴の違いなども知っておく必要があります。今回の3つのポイントは、その違いのほんの一部ですが、和文英訳時のヒントになりますと幸いです。


川村インターナショナルの翻訳サービス

川村インターナショナルでは、翻訳の国際規格であるISO 17100の認証を取得しており、国際規格に基づいた翻訳サービスを提供しています。

翻訳を頼みたい。でも訳文の品質はどうなんだろう?専門分野にも対応可能なんだろうか?対応言語は?などなど、翻訳依頼時の疑問質問を解消し、お客様のさまざまなニーズへご提案させていただきます。

弊社の審査基準をクリアした、経験豊富なプロの翻訳者ですので、品質の面でもご安心ください。翻訳依頼・見積もり依頼はこちらのフォームから、お気軽にお問い合わせください。

  翻訳のお見積もりご相談ください | 翻訳会社川村インターナショナル お見積もり無料!こちらの見積もり入力フォームへ入力またはお電話でも受付可能です。翻訳言語、ファイル形式、参考資料有無、ご希望の納期などを伺わせていただきます。お見積もり依頼はぜひお気軽にお問い合わせください。 翻訳会社川村インターナショナル



関連記事

KIマーケティングチーム

KIマーケティングチーム

川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

この記事がお役に立ったらシェアをお願いします!

ホワイトペーパーはこちら


人気のダウンロード資料

タグ

JSAマーク
ISO17100
JSAT 007

認証範囲:
金融・経済・法務、IT、医療・医薬、電気 ・機械、航空宇宙分野の技術翻訳サービス 及びソフトウェアローカリゼーション (英日、日英)
SGS_ISO-IEC_27001_with_ISMS-AC
※当社では、ISO17100に準拠した翻訳サービスを提供可能です。
準拠サービスをご希望の場合は、ご依頼時にお申し付けください。