企業にとって、Webサイトは自社を広く知ってもらうためのいわば「顔」の役割を果たしています。ただし、この「顔」がひとつの言語しか話せないようでは、リーチできるマーケットも限られてしまいます。
とはいえ、Webサイトを多言語化というのは簡単な作業ではありません。初期の多言語ページ構築と翻訳に多額の費用が発生することはもちろん、構築後の運用負荷は言語の数だけ増え、ささいな更新でも言語の数だけ修正が発生します。Webサイトの多言語化は自社を世界に紹介できる素晴らしいツールですが、サイト運用の手間は大幅に膨れあがるという問題があります。
この記事では、自動翻訳を活用した翻訳ツールTranslation Designerと、世界で最も使われているコンテンツ管理システム(CMS)のWordPressを連携させることで、多言語Webサイトの構築、運用が簡単になるという例を紹介します。
WordPressとは?
WordPressは、Webサイトを構築するためのコンテンツ管理システム(CMS)です。もとはブログ用に作られましたが、無料ソフトとは思えない使い勝手の良さやサードパーティ製ツールの豊富さから現在では企業、教育機関、公的機関などのサイト構築にも用いられていて、ある調査によると世界中のWebサイトの3割以上がWordPressで構築されているそうです。
Translation Designerとは?
Translation Designerは、八楽株式会社の開発したYarakuZenという翻訳ツールに、川村インターナショナルの自動翻訳に関するノウハウと、それらを活用した翻訳サービスを合わせたサービスです。Translation Designerを使うことで、翻訳会社も利用している最先端の技術を誰でも手軽に使えるようになります。
連携の流れ
Translation DesignerはAPIを通じてWordPressと連携します。APIやシステムの連携というと難しい仕組みを想像しがちですが、連携の流れは至って簡単です。
まず、WordPressで投稿や固定ページを作成します。ページが完成したら、多言語プラグインの機能を使って外国語ページを作成します。
外国語ページを作成したら、ページのタイトルと本文をプラグインを使って簡単な操作でTranslation Designerに送ることができます。
Translation Designerに送られた記事は、過去の翻訳や自動翻訳を使って自動的に翻訳されます。あとは、Translation Designer上で翻訳を編集したり、外部に翻訳依頼して、翻訳を完成させます。
翻訳が完了したら、ボタンひとつで翻訳をWordPressに戻りますので、あとは外国語のページを公開するだけです。
ポイント
WordPressには多言語サイト構築用プラグインは存在しますが、実際に翻訳する作業は楽にはなりません。一方、Translation Designerは、過去の翻訳の流用や自動翻訳の活用といった、最先端の翻訳技術を簡単に使うことができるツールですが、ホームページの翻訳をするにはテキストをコピー&ペーストする必要があります。
この2つのツールをAPIで連携させることで、多言語ウェブサイトの構築・運用を効率的に行うことができるようになります。サイトに組み込むような大がかりなシステムではないため、既存のサイトですぐに使えることも、メリットのひとつです。
WordPress以外のCMSとも、同様の仕組みで連携することができますので、多言語サイトの構築・運用でお困りの際には是非Translation Designerとの連携をお試しください。