シンプルな文法
日本語や英語では時制や人称、単数・複数によって、単語の語形変化を伴いますが、ベトナム語では単語そのものが変化することはありません。
語順の変化によって過去・現在・未来、そして人称の違いを表すことができます。
声調記号とアルファベット
タイ語のシャム文字、ミャンマー語のビルマ文字、ラオスのラオ文字。
東南アジアでは特殊な文字を使用する言葉が多いですが、ベトナム語では英語同様、アルファベットが使用されます。
F, J, W, Zが使われず、発音の観点からDが二種類存在する意外は、英語と全く同じです。
タイ語と同じように声調記号を伴って表記されるため、一見非常に複雑な言葉に見えますが、実は我々日本人にとっては認識しやすい言葉の一つなのです。
昔は漢字表記だった
現在はアルファベットで表記されるベトナム語ですが、実は漢字起源の言語で、昔は中国や日本と同様、漢字で表記されていました。
遥か昔、中国の支配地域であったことから、その当時のベトナムでは漢字による表記が採用されていたのです。
その名残りからか、同じ漢字圏の日本語と似た発音の単語が数多く存在します。
チュノム
漢字起源のベトナム語ですが、11世紀には「チュノム」という固有の文字が開発されました。
しかし、その表記体系は非常に複雑で習得が難しかったことから、あまり広まらなかったようです。
言葉というのは、難しすぎてもダメなんですね。
ベトナム正書法(チュー クォック ングー)
その後、19世紀後半に、フランス統治下に入った頃から、欧米文化の影響を大きく受け、1945年ベトナム独立の際に、現在の表記(クオックグー)が国語として制定されました。
当時の大統領、ホーチミン大統領により、識字率向上のため、アルファベットでの表記を公式とする制定がが出されました。
この公式表記に声調記号を加えた現在の表記方法を「正書法=チュー クォック ングー」といいます。
小数点 | 桁区切り | |
英語 | 1.0 | 1,000 |
ベトナム語 | 1,0 | 1,000 |